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【今週の債券】堅調か、期間収益狙いの買いで-米金融不安も意識

今週の債券相場は堅調(利回り低 下)な展開が予想される。利付国債の入札が予定されていないので需給 面での不安が乏しい中、期間収益確保を狙った投資家の買いで相場は上 昇しやすい。米金融機関のストレステスト(健全性審査)や米自動車大 手破たんへの憶測で金融不安が再び強まればこれも相場の支えとなる。

10年債利回り予想レンジ1.35-1.47%

今週の新発10年債利回りについて、24日夕までに市場参加者4 人にヒアリングしたところ、全体の予想レンジは1.35%から1.47% となった。レンジの下限となる1.35%まで達すれば、今月2日以来の 低い水準となる。

長期ゾーンの国債入札は5月12日まで予定されていない。一方、 大型連休に向けて金利収益を確保するための買いや月末恒例の年限長期 化の買いなども見込まれており、需給の良さが相場を支えるとの見方が 多い。ドイツ証券チーフ金利ストラテジストの山下周氏は、「入札がな く、大型連休前なので売りが出にくい。月末の年限長期化の需要が多少 あると思う。投資家の一部は、国債発行の年限別の割り振りを見てから 動くとみられるので、買いが若干優勢になる」とみている。

27日は2009年度補正予算案の提出に伴う、同年度の国債発行計 画が修正される予定だ。この結果、年限別の国債増額が明らかになり、 すでに総額で17兆円規模の国債の追加発行については織り込まれてい るため、過度な需給悪化懸念は後退する。

米金融・自動車業界に対する憶測も

米政府による5月4日の米金融機関に対するストレステストの結果 発表に向けた思惑や、米自動車大手クライスラーの破産法申請に関する 観測などで金融不安が再び強まり、主要通貨に対して円高が進めば、日 本国債への買い意欲が強まる場面もありそうだ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ーは、ストレステストや米自動車業界再編をめぐる不透明感から、「金 融不安や企業の景況感悪化が強まりやすい」として、超長期債などを中 心に金利低下を見込んでいる。

日銀展望リポートなど公表

日本銀行は30日に金融政策決定会合を開催し、同会合後に半年に 1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。一方、 28、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。

展望リポートについては、ブルームバーグがまとめたエコノミスト 16人の実質GDP(国内総生産)成長率見通しの中央値は、09年度が マイナス4.4%、10年度がプラス0.9%と、日銀が1月の中間評価で 示した政策委員見通しの中央値(09年度マイナス2.0%、10年度プラ ス1.5%)を大きく下回った。

市場では、「成長率見通しの下方修正など、ファンダメンタルズ (経済の基礎的諸条件)から売り材料は出ない」(DIAMアセットマ ネジメントのエグゼクティブファンドマネジャー、山崎信人氏)との見 方が優勢だ。もっとも、「日米ともにそれほど追加の金融政策を予想す る声は出ていない。金融緩和が継続するので、相場への影響も限定的」 (岡三証券の坂東明継シニアエコノミスト)との声も聞かれた。

市場参加者の予想レンジとコメント

24日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月の6月物、新発10年国債利回りは299回債。

◎大和住銀投信投資顧問・伊藤一弥国内債券運用グループリーダー

先物6月物136円80銭-138円00銭

新発10年債利回り=1.35%-1.45%

「増発は織り込み、米ストレステストへの思惑に注目。金融不安が 強まれば、金利は低下するだろう。クライスラーが連邦破産法適用申請 との観測報道もある。海外中心に金融不安や企業の景況感悪化が強まり やすく、国債運用圧力が続くだろう。円高・ドル安となれば超長期債に はスワップを中心に利回り低下が見込まれる。月末の買いも期待」

◎トヨタアセットマネジメント・浜崎優シニアストラテジスト

先物6月物136円75銭-137円50銭

新発10年債利回り=1.38%-1.45%

「底堅い。米ストレステスト結果公表に向け神経質な展開。市場の 疑心暗鬼を強める結果になるとの見方が多く、悲観的な予想も含めて債 券にはプラス。主要指標発表が多い中、3月生産が予想通りプラスにな るかも注目。主要投資家は今年度投資方針を決定する上で課題山積。本 格的に動き出すのは連休明けで、レンジを抜け出すのはまだ難しい」

◎DIAMアセットマネジメント・山崎信人エグゼクティブファンドマ ネジャー 先物6月物136円70銭-137円60銭

新発10年債利回り=1.40%-1.47%

「米クライスラーの動向やストレステスト方法発表が焦点。年限別 発行計画も発表される。経済指標はまだら模様。展望リポートで経済見 通し下方修正などファンダメンタルズから売り材料は出ないと思う。決 算発表を背景に株価が上昇する気もしない。一方、米国では入札が続き 金利上昇懸念がある。連休前で持ち高を傾けにくく強含みのレンジか」

◎岡三アセットマネジメント・山田聡債券運用部長

先物3月物136円70銭-137円70銭

新発10年債利回り=1.37%-1.47%

「10年金利は一時的に1.4%割れも。週初に国債増発の詳細が確 認できるのは相場の安定要因。IMF(国際通貨基金)の経済見通しや 米自動車大手の処遇など、楽観論が転じてリスクが意識されそうなこと も支え。金利低下を追いかけてまでは買えないにしても、一定量は積み 増す必要のある投資家が多い。月末接近で長期化ニーズもありそうだ」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editor:Hidenori Yamanaka,Hitoshi Sugimoto

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