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中東産油国とアジア消費国:価格乱高下の防止で取引監視の強化要求

アジアと中東産油国は、都内で 26日まで開かれるエネルギー相会合で、原油価格の乱高下を未然に防 ぐため、先物市場での建玉制限や取引所を介さない「相対取引」の監 視強化を各国の金融当局に求めることが明らかになった。アジアの消 費国と中東産油国が原油価格の安定を目指して共同歩調を一段と強め る。

原油価格の急激な変動は、消費国だけでなく産油国にとっても影 響が大きい。ブルームバーグ・ニュースが25日入手した議長総括の 草稿によると、「参加者は商品市場に関する国内当局による取り組みを 評価し、建玉制限の導入等のさらなる協調行動を要求した」との一文 が盛り込まれている。

米国では原油先物価格が高騰したことから、米商品先物取引委員 会(CFTC)は昨年5月、原油先物市場で価格操作が行われていな いか調査を開始。原油先物価格の急激な変動について多数のトレーダ ーらに召喚状を送付している。

ニューエッジ・ジャパン商品デリバティブ営業部の長谷川健課長 は「石油市場には透明性のある取引が必要だ。取引監視の強化を求め る訴えは今後も続くだろう」と評価した。

投資の確保

金融危機がエネルギー資源開発向けの投資を停滞させており、景 気の回復時には供給不足が起きる懸念が生じていることから、議長総 括文書では「投資環境の向上に向けた取り組みは継続的な投資を確保 する上で不可欠な要素」と明言する。

アジア地域の需給予測の質を高めるため、会合では各国が提供す る需給データの「透明性が重要」との認識を共有し、投資の拡大につ なげたい考えだ。国際エネルギー機関(IEA)は、2030年までの 世界の需要増の半分以上をアジアが占めると予測しており、正確なア ジア需要の予測が重要な課題となっている。

会合の共同議長を務める二階俊博経済産業相とカタールのアティ ーヤ・エネルギー産業相は26日午後の閉幕時に議長総括を正式に発 表する。

CCSをCDM化

地球温暖化対策として、化石燃料から太陽光や風力など再生可能 エネルギーへの転換の動きが世界の主要国で強まっている。参加国は 化石燃料が今後も重要な役割を果たすとの考えを維持しつつも、発電 所などから回収した二酸化炭素(CO2)を枯渇した油田などに貯留 する「CCS」が、環境に配慮した化石燃料の持続的な利用に必要と の考えを確認する。

国連のクリーン開発メカニズム(CDM)と呼ばれる仕組みでは、 先進国が開発途上国で技術や資金を支援し、温室効果ガス排出量の削 減に貢献した場合には、CO2排出権として自国の排出量削減分に加 えることができる。CDMに認証される事業として、CCSを含むこ とが重要だと強調する。

環境やエネルギー安全保障の観点からは、原子力発電についても 重要性を認識し、原子力発電事業もCDM事業として加えることで協 調が必要だと訴える。

今回のアジア・エネルギー産消国閣僚会合にはサウジアラビアや イランなど中東産油国から9カ国、アジアから12カ国の代表が参加 した。油田開発投資の拡大や産消国が共同で需給見通しを策定するこ となどで合意する。

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