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米国債:10年債利回り上昇、FRB買い切りオペ決定後で最高(2)

米国債市場では10年債利回りが 上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が米国債買い取り計画を発表 して以来の最高に達した。2月の住宅価格指数が前月比で0.7%上昇し たのをきっかけに、リセッション(景気後退)の最悪期は過ぎたとの 見方が強まった。

10年債利回りは一時2.97%を付け、3月18日以来の高水準とな った。連邦住宅金融局(FHFA)が発表した2月の住宅価格指数は 前月比で0.7%上昇。1月は同1%上昇に修正された。株式市場で取引 終盤に金融株が売られ、相場全体が下げるにつれ、米国債は下げ渋っ た。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメ ント(PIMCO)のポートフォリオマネジャー、ポール・マカリー 氏(カリフォルニア州ニューポートビーチ)はブルームバーグテレビ ジョンとのインタビューで、「経済統計は底入れへの過程を示唆して いる」と指摘。「下降ペースが緩んできた」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時45分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇して2.94%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は10/32下げて98 11/32。同利回り は3月18日に3.02%に上昇していた。

30年債利回りは前日比6bp上昇して3.80%。カリフォルニア州 は同州にとって過去最大規模となる68億5000万ドルの長期債を売却 した。ブルームバーグがまとめたデータによると、このうち52億 3000万ドルを占める期間25年債と30年債は同様の年限の米国債に対 し、365bpの上乗せで価格設定された。

ストレステスト

サントラスト・バンクの個人資産管理部門で100億ドルの債券資 産運用を監督するアンドルー・リッチマン氏(フロリダ州パームビー チ在勤)は、「カリフォルニアの債券発行が市場を圧迫している」と 指摘。「地方債としては非常に魅力の高い価格だ」と付け加えた。

オバマ政権は5月4日に、銀行の財務健全性を審査するストレス テストの結果を発表する。事情に詳しい関係者によると、テストの結 果、資本が不足していると判断された銀行は増資の手段について説明 を求められる。

MFグローバルの仕組み商品共同責任者、アンドルー・ブレナー 氏は、「ストレステストへの懸念は根強い。悪い結果に終われば質へ の逃避が優勢となり、株式は売りを浴びる。本当にはっきりした結果 が出るまでは、レンジ取引が続くだろう」と述べた。

米国債2年債に対する10年債の上乗せ利回りは、3月4日 (203bp)以来で最大の200bpに達した。

1月下旬以降、10年債利回りは2.45-3.05%で推移。過去最大 の国債入札が警戒される一方で、FRBによる買い取りプログラムが これを打ち消す格好となっている。

記録的財政赤字

大量失業の時代は政府にとって歳入減少を意味する。財政赤字は 過去最高を記録した昨年の4547億ドルの4倍以上に膨れ上がると懸念 されるなか、米財務省は赤字補てんへと国債をさらに大量発行するこ とになる。

米財務省は来週3回予定している入札について、23日に規模を発 表する。

FRBは6カ月で最大3000億ドルの米国債買い取りプログラムに 基づき、23日には2012年5月から2013年8月に償還期限を迎える米 国債を購入する。

「出口戦略」

ドイツ銀行の米金利調査担当責任者ムスタファ・チャウデュリー 氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「FRBは出 口戦略を練り始める時期に来ている」と指摘。「新たな展開が始まり、 これまでの政策がすべて裏目に出て、インフレが表面化するようにな ったらFRBはどう行動するだろうか」と問題を提起した。

メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の投資リタ ーンは年初来で2.4%のマイナス。ドイツ国債はほぼ変わらず、日本の 国債は1.3%のマイナスだった。

利回り動向をみる限り、信用市場には雪解けの兆しが表れている。 ドル建て3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)と同期間の 米財務省証券利回りとの格差である「TEDスプレッド」は96bpに縮 小した。2008年末の時点では1.35ポイント。2006年は平均36bp だった。

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