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日本株は全面安、輸出や金融中心に売り-米銀の信用損失に警戒感

午前の東京株式相場は大幅反落 し、東証1部の値下がり銘柄数が全体の91%に達する全面安となった。 米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)の信用損失拡大が景気に悪影 響を与えるとの警戒感が広がり、輸出関連や金融、商社など市況関連 株中心に幅広く安い。

中央三井アセットマネジメントの寺岡直輝運用部長は、「米経済 について、少し楽観的に思い過ぎていた部分の修正が入っている。米 経済はまだ悪化しており、完全に底を打って大丈夫と言うにはまだ材 料が足りない」との見方を示した。米金融セクターについても、「こ れで大丈夫と言い切るのは難しい」と話している。

日経平均株価の午前終値は前日比299円6銭(3.4%)安の8625 円69銭で、下げ幅は一時300円を超えた。TOPIXは28.12ポイ ント(3.3%)安の820.18。東証1部の売買高は概算で11億4289 万株、売買代金は同7239億円。東証業種別33指数はすべて下げた。

2度目の試練

金融不安が再燃し、日経平均は3月10日以降の戻り相場におい て2度目となる3%超の大幅調整となった。景気対策や国内の減産緩 和への期待、信用売り残の多さなどから下値を売り込みにくい状況に 変わりないとの見方は依然多いものの、先行きを楽観視できる状況で はなくなった、との声も出てきた。

BOAが20日発表した2009年1-3月決算は、利益が前年同期 に比べ3倍以上となる半面、貸倒引当金は昨年12月末に比べ57%増 え、134億ドルとなった。JPモルガン・チェースは17日付のリポー トで、銀行が計上する不良資産の損失はさらに4000億ドル(約39兆 円)拡大し、政府の追加支援が必要になるとの見通しを示している。

三菱UFJ証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストによると、 「時価会計を凍結している中での好決算数字では信用されない。信用 不安が頭をもたげたことで、ストレステスト(健全性審査)の結果に 向けてリスクを考慮しなければならない状況になった」という。金融 株のほか、円高もマイナス材料となって輸出関連株も軒並み下げた。

米国時間21日には建機大手キャタピラーやヤフーの決算を控え、 国内でも23日のKDDIなど決算が週後半から本格化する。「今週 は業績に焦点が当たることから、息を抜けない展開が続きそう」(日 興コーディアル証券の西尾浩一郎マーケットアナリスト)。日経平均 の当面の下値めどは、25日移動平均線や8日安値などが重なる8500 円台近辺が予想される、と三菱U証の鮎貝氏は予想している。

市況関連下げきつい

幅広く売られた中で、業種別では市況関連株の下げがきつくなっ た。東証1部の業種別下落率では鉱業が1位、卸売業や海運業も上位 に並んだ。20日のニューヨーク原油先物相場は前営業日比8.8%安と、 過去7週間で最大の下げとなった。景気後退による需要減で、原油在 庫が増加するとの観測が高まったことなどが要因。

原料炭値下げが10年3月期の純利益で1000億円規模の減益要因 になりそう、と21日付の日本経済新聞朝刊が伝えた三菱商事が6.5% 安となり、国際石油開発帝石も売買を伴って6.7%安と売られた。

オリックス急落、GSユアサは高値

東証1部の値上がり銘柄数は93、値下がり銘柄数は1560。個別 の材料銘柄では、「資金調達懸念の後退は株価に織り込まれた」とし て、野村証券金融経済研究所が格下げしたオリックスが急落。「当面 の期待要素は株価に織り込まれた」として、日興シティグループ証券 が格下げしたソニー、格付け機関フィッチが格付ウォッチを「ネガテ ィブ」の対象としたプロミスもそれぞれ急落した。

半面、環境関連銘柄への投資人気を背景に、ジーエス・ユアサ コーポレーションが東証1部の売買代金首位で上場来高値を更新。薄 膜系太陽電池の電極付け装置の製造工場を新設する黒田電気、09年3 月期の連結営業利益が従来予想を上回ったもようのニッパツはそろっ て急伸。今年度下期からの業績改善期待が広がっている大阪チタニウ ムと東邦チタニウムは大幅続伸した。

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