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東京外為:円買い優勢、株安でリスク回避再燃-米銀の信用損失を懸念

東京外国為替市場では円買いが優 勢。米金融機関の信用損失拡大懸念を背景に米国株や日本株が大きく 下落しているため、投資リスクを回避する目的で外貨から円に資金を 戻す動きが先行している。

円は対ユーロで一時、1ユーロ=126円9銭まで上昇し、3月16 日以来、約5週間ぶり高値を更新している。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャー は、米金融機関の決算上振れを織り込んで株が上昇してきたが、急ピ ッチな相場上昇に対する警戒感が高まるなか、「悪い材料にも目が向 き始め、財務内容に焦点が集中する格好になった」と説明。引き続き 株価の下値模索が見込まれなか、きょうの東京市場でも「アジア全般 の株価動向をにらみながら、利益確定の動き先行で円が買い戻される 展開」を予想している。

円は対ドルでも一時、1ドル=97円74銭まで上昇。前日の海外 市場で付けた3月31日以来、約3週間ぶり高値(97円66銭)まで約 10銭のところまで迫っている。

ユーロの上値が重い

一方、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和をめぐる不透明感を背 景にユーロは上値の重い展開が続いている。

ECB政策委員会メンバーでオーストリア中銀のノボトニー総裁 は20日、ECBの政策金利(現行1.25%)について下限に近いとの 認識を示し、「個人的には1%を下回るべきではないと思うが、これ については5月の会合で協議する」と述べた。

ユーロ・ドルは前日の海外市場で一時、1ユーロ=1.2889ドルと 3月16日以来のユーロ安値を記録。21日の東京市場でも再び1.2900 ドルを割り込む展開となっている。

信用損失拡大懸念で金融株急落

資産規模で米銀最大手のバンク・オブ・アメリカ(BOA)が20 日発表した2009年1-3月(第1四半期)決算は利益が予想を上回っ たが、貸倒引当金の積み増しが嫌気され、同行株価は急落。ゴールド マン・サックス・グループが信用損失が「急速なペース」で拡大して いると指摘したシティグループの株価も大きく下落した。

S&P500種株価指数は前週末比4.3%安と3月2日以来の大幅 安となり、投資家の悲観度を映すシカゴ・オプション取引所(CBO E)のボラティリティ・インデックス(VIX)は過去3カ月で最大 となる15%上昇。また、「質への逃避」から米国債相場は上昇し、10 年債利回りは前営業日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)低下した。

オッペンハイマーの元アナリストで、メレディス・ホイットニー・ アドバイザリー・グループの創設者、メレディス・ホイットニー氏は ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米銀の業績につい て、1-3月は黒字を計上しているが、今後「赤字」に逆戻りする公 算が大きいとの見方を示した。

一方、米財務省のウィリアムズ報道官は20日、金融当局は米銀大 手19行に対するストレステスト(健全性審査)を完了しており、この うち大半が不合格となったとする報道には根拠がないと述べた。米連 邦準備制度理事会(FRB)はストレステストの結果を来月4日に公 表する。

米国株の下落を背景に20日の海外市場では円の買い戻しが加速 し、対オーストラリア・ドルでは日中安値から一時、4円近く円高が 進行。21日の東京市場でも1豪ドル=68円台前半で円が堅調に推移し ている。

--取材協力 三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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