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日本株は反落へ、信用損失懸念で金融や輸出に売り-市況関連も下げ

東京株式相場は反落する見通し。 米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)の信用損失拡大が景気に悪影 響を与えるとの警戒感が広がり、金融や輸出関連株に売りが増加しそ う。海外原油先物価格の急落を嫌気し、大手商社や鉱業など市況関連 株も安くなる公算が大きい。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「これまで米 金融機関の決算は良い面だけを見ていたところがある。米国株はセン チメントの修正が入った」と指摘。米国株安の影響は避けられない半 面、「日本株は米金融株高に乗っていたわけでもないため、取引終了 にかけては押し目買いも見られるだろう」と予想する。

シカゴ先物市場(CME)の円建て日経平均先物6月物の20日 清算値は8690円で、大阪証券取引所の通常取引終値(8930円)に比 べて240円安だった。

米金融株はことし2番目の下落率

BOAが20日発表した2009年1-3月(第1四半期)決算は、 利益が前年同期に比べ3倍以上となった。ただ、貸倒引当金は昨年12 月末に比べ57%増え134億ドルとなり、回収不能債権の償却は前年同 期に比べ2倍強の69億4000万ドルに増えた。クレジットカード関連 の引当金は82億ドルと、前年同期比91%増えた。

貸倒引当金の増加が嫌気されてBOA株は前週末比24%安となっ たほか、ゴールドマン・サックス・グループが信用損失は「急速なペ ース」で拡大していると指摘したシティグループは19%下落。S&P 500種の金融株指数は11%安となり、ことし2番目の下落率となった。

株式市場では景気が最悪期を脱したとの期待が高まっているが、 「金融システムの安定が景気回復の大前提」(三菱UFJ証券USA の大宮弘幸ディレクター)とされる。米金融機関の収益先行きに不透 明感が高まったことで、国内でも金融株や輸出関連株中心にはいった ん売りが増加する見込み。「当面の期待要素は株価に織り込まれた」 として、日興シティグループ証券が格下げしたソニーは下げ幅が大き くなるとみられる。

米主要3指数の20日終値は、S&P500種株価指数が前週末比

4.3%安の832.39で、3月2日以来の下げとなった。ダウ工業株30 種平均は3.6%安の7841.73ドル、ナスダック総合指数は3.9%安の

1608.21。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対20 と、2月10日以来で最大の格差。

市況関連も売り圧力

大手商社など市況関連株にも売り圧力が高まりそうだ。20日のニ ューヨーク原油先物相場は前営業日比8.8%安の1バレル=45.88ド ルと、過去7週間で最大の下げとなった。リセッション(景気後退) による需要減で、原油在庫が増加するとの観測が高まったことなどが 背景。銅先物も4.2%安と、2カ月ぶりの大幅下落となっている。

原料炭値下げが10年3月期の純利益で1000億円規模の減益要因 になりそう、と21日付の日本経済新聞朝刊が伝えた三菱商事など商 社株、非鉄金属株、鉱業株は海外市況下落の影響を受ける見通し。

オリックスや三菱ケミHが下落見込み

個別に材料が出ている銘柄では、「資金調達懸念の後退は株価に 織り込まれた」として、野村証券金融経済研究所が格下げしたオリッ クスに売り圧力が増しそう。想定より製品の販売数量が少なかったこ となどで、2009年3月期の連結純損失が従来予想より拡大したもよう の三菱ケミカルホールディングス、09年3月期の連結純損益が一転赤 字になったもようのオムロンも下げが予想される。バークレイズ・キ ャピタル証券が目標株価を引き下げたNTTドコモも安くなる見込み。

半面、想定より為替が円安に推移した結果、09年3月期の連結最 終損益予想を収支均衡から17億円の黒字に増額修正した島精機製作 所、薄膜系太陽電池の電極付け装置の製造工場を新設する黒田電気は 相対的に底堅く推移しそう。固定費の相対的な低さを評価し、クレデ ィ・スイス証券が投資判断を2段階引き上げたエフ・シー・シーと日 信工業は堅調となる可能性がある。

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