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【今週の債券】堅調か、増発の不透明感が徐々に緩和-連休前の買い

今週の債券相場は堅調(利回りは 低下)に推移すると予想される。大型経済対策に伴う国債発行の規模に めどがついたほか、年限別の割り振りに関する情報が浸透してくること で過度の不安が和らぐ。20年国債の入札を通過すれば、大型連休を前 に打診的な買いが膨らむとの指摘がやや有力だ。

10年債の予想レンジ1.38-1.50%

今週の新発10年債利回りの推移について、17日夕までに市場参 加者5人にヒアリングしたところ、全体の予想レンジは1.38%から

1.50%となった。

国債増発に伴う年限別の割り振りが最大のテーマとなりそう。20 日の国債投資家懇談会では、前週末の国債市場特別参加者会合と同様に 3年債や7年債の発行なども議論される見通しだが、需要の分散を回避 する狙いもあって今回は導入見送りとの見方が多い。市場では、「短期 金利安定のグリップが効く短中期の比重をやや大きくし、長期や超長期 に過度の負担をかけないスタンス」(RBS証券の市川達夫シニアスト ラテジスト)が有力視されている。

ただ、「既存の年限で発行を増やして流動性を高める方針となろ うが、これだけの増発は未体験なので不穏なムードは残る」(三菱UF J証券の石井純チーフ債券ストラテジスト)との指摘もあり、不確定要 因が解消されるまでは投資家の手控えが続きそう。国債増発額は16兆 -17兆円程度となる見込みで、追加経済対策を実施する2009年度補 正予算案の提出は今月27日前後となる見通し。

20年債入札に注目、生保需要に期待

需給面からは21日実施の20年債入札が注目される。新発20年 債利回りは4月以降に20ベーシスポイント(bp)前後の調整が入って

2.1%台で推移するなど金利の絶対水準から投資妙味が高まったほか、 10年債との金利格差も70bp弱に拡大して利回り曲線上の割高感も乏 しい。昨年度に新発20年債の平均利回りは2.1%程度だったこともあ り、生命保険会社などの買いで無難な結果となる公算が大きい。

キャリー確保の需要も

来週からの大型連休入りのタイミングも意識される。BNPパリ バ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、米金融機関の決算が一 巡するほか、国債増発の概要が見えてくることで市場の不透明感は弱ま り、「大型連休を控えてキャリー(金利収入)確保を狙った買いが出て きてもおかしくない」と予想する。

21日の20年債入札を通過すると、5月12日の10年債まで長期 ゾーンの入札がないため、過度な需給悪化懸念も起きにくい。市場では、 「大型連休明けまでもたつくと新年度入りして1カ月半が経過してしま うだけに、相場下落時には買い下がりスタンスでよい」(岡三アセット マネジメントの山田聡債券運用部長)との声も聞かれた。

また、「月末接近で年限長期化の買いが入るとの見方もあって、 10年債利回りが1.5%をつける可能性は小さい」(岡三証券の坂東明 継シニアエコノミスト)との指摘もある。

市場参加者の予想レンジとコメント

17日夕までに集計した市場参加者の予想レンジは以下の通り。先 物は中心限月6月物、新発10年国債利回りは299回債。

◎岡三証券・坂東明継シニアエコノミスト

先物6月物136円20銭-137円60銭

新発10年債利回り=1.38%-1.48%

「20年債のクーポンは前回債の1.9%から引き上げられ、水準が 2%台前半になりそうなので需要はあるだろう。増発の詳細が次第に判 明して、需給に対する見方がどう変わるかがポイント。ただ、米国の決 算発表が本格化して銀行決算への警戒感が後退すれば、米株上昇・長期 金利上昇のリスクもある。米国債入札も多く警戒感が出てくる」

◎RBS証券・市川達夫シニアストラテジスト

先物6月物136円00銭-137円20銭

新発10年債利回り=1.40%-1.49%

「イベントをこなしながら相場はしっかり。財務省と市場との対 話を通して増発に関する概要が明らかになってくることで不透明感が弱 まる。20年債入札をこなせば長期債の発行がしばらくあくだけに、新 年度入り後に買い控えていた投資家の一部はキャリー確保に動く。押し 目買いが支えとなって10年債利回り1.5%までは届かないだろう」

◎三菱UFJ証券・石井純チーフ債券ストラテジスト

先物6月物136円40銭-137円10銭

新発10年債利回り=1.42%-1.49%

「レンジ相場継続か。国債増発に絡む年限の割り振りは中期をや や多めにし、超長期ではやや配慮するのが無難な選択肢であろう。20 年債の入札も現在の水準ならこなせそうだが、増発規模が固まらないタ イミングでは波乱含みではないか。一方、米金融機関のストレステスト (健全性審査)が期待に反すると株安・債券高に動く可能性も残る」

◎三井住友海上火災保険投資部・高野徳義グループ長

先物6月物136円20銭-137円20銭

新発10年債利回り=1.40%-1.50%

「先週のレンジから大きく外れない。国債増発の配分が焦点だが、 超長期が増発で売られても、潜在的な買いは強い。20年入札もあるが、 一方的には売っていけない。3年や7年の新年限の発行は、残存期間が 同じ既発債との間でゆがみが生じる可能性がある。先物やスワップがヘ ッジとして機能しづらく、既存年限の増発が無難ではないか」

◎岡三アセットマネジメント・山田聡債券運用部長

先物6月物136円20銭-137円20銭

新発10年債利回り=1.40%-1.50%

「もみ合いが続きそう。国債増発では5年債はじめ短中期ゾーン が中心となり、長めは少なめといったトークが出始めている。30年債 入札では潜在的な需要も確認できており、神経質ながらも20年債入札 もこなせるとみている。米国の長期金利も3%手前で落ち着き始めてい ることから、連休前の調整売りが出た水準で買いたい投資家は多い」

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