日本株は反発へ、信用市場の改善で金融中心に上げ-日銀短観を注視

2009年度入りした東京株式相場は、 反発する見込み。海外信用市場の改善傾向を好感し、金融株や不動産株 に買いが増えそう。為替の円安傾向による業績改善期待で、輸出関連株 も堅調に推移しそうだ。日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)での 業績動向も注視される。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長によると、「短観 のかなり厳しい状況は株価に織り込まれている。あすの首脳会合や国内 の補正論議など、政策期待が株価を支えそう」という。2日にはロンド ンで、20カ国・地域(G20)の首脳会合が予定されている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の3月31日清算 値は8365円で、大阪証券取引所の通常取引終値(8120円)に比べて 245円高だった。

貸し渋り解消期待

きのうの海外市場では、信用市場の改善への期待感が高まった。信 用リスクの指標とされている3カ月のTB利回りとLIBOR(ロンド ン銀行間取引金利)との利回り格差であるTEDスプレッドは31日、 99ベーシスポイントと1カ月強ぶり水準まで低下した。前日比では

8.3%の低下で、低下率は2カ月半ぶり。

米政府と米連邦準備制度理事会(FRB)が融資や保証に費やした 資金は12兆8000億ドルと、昨年の米国内総生産(GDP)に迫る水 準に達している。31日は欧州企業の社債保証コストも低下し、金融機 関の貸し渋りが解消に向かいつつあるとの見方がある。東京市場でも銀 行、その他金融、保険、不動産など金融収縮懸念の後退が追い風となる 業種には、買い戻しが入りやすそうだ。

また、きのうのニューヨーク外国為替市場では、株価上昇を受けて 円が主要通貨に対して下落しており、輸出関連株の採算改善期待につな がりやすい。日経平均株価は直近3日間で6%(526円)下げており、 「一時の過熱感が後退している」(日興コーデ証の西氏)という。

米国株は3日ぶり反発

米主要3指数の31日終値は、S&P500種株価指数が前日比

1.3%高の797.87、ダウ工業株30種平均は1.2%高の7608.92ドル、 ナスダック総合指数は1.8%高の1528.59。「経済指標は予想を下回っ て良くないほか、自動車再建問題も先送り。ただ、金融問題だけが半歩 前進して株価を支えた」(東海東京証券アメリカの矢崎正シニアアナリ スト)という。

短観は在庫と収益計画が焦点

取引開始前には日銀短観が発表される。ブルームバーグ・ニュース の事前調査では大企業製造業の業況判断DIはマイナス55と、前回12 月調査(マイナス24)から大幅に悪化する見通し。

DIの悪化は避けられないとの見方が多いものの、こうした悪化は すでに各種経済指標でも明らかになっている。このため、景気の先行き を占う上では「在庫調整の進ちょくを受けた6月のDI見通し、今回初 めて明らかになる09年度の企業収益計画に注目したい」と、日興シテ ィグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは言う。株式市場では、 09年度業績は2割減益までは織り込んだとの見方もある。

昭シェルやJSRが上昇見込み

個別に材料が出ている銘柄では、太陽光発電パネルの量産工場とし て日立製作所の薄型テレビ用プラズマパネル工場を買収する方向、と1 日付の日本経済新聞朝刊が報じた昭和シェル石油が高くなりそう。モル ガン・スタンレー証券が格上げしたJSR、メリルリンチ日本証券が 「買い」とした大和証券グループ本社やクレディセゾンも上昇の公算。

半面、楽天が保有する株式19.8%の買い取りを請求されたTBS、 09年3月期の連結純利益が従来予想を下回ったもようの資生堂、09年 3月期の連結最終赤字が拡大したもようの有沢製作所が安くなる見込み。 目標株価達成でクレディ・スイス証券が格下げした日本ガイシ、飲料需 要低迷で野村証券金融経済研究所が格下げした高砂香料工業は下落が予 想される。

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