債券は堅調か、短観の景況悪化や米債上昇で-期明け需要に期待(2)

債券相場は堅調(利回りは低下) に推移すると予想される。日本銀行が発表する企業短期経済観測調査 (短観)では景況感の大幅悪化が見込まれており、前日の米債相場上昇 とあわせて期明けにあたって投資家の買い意欲を促すとみられる。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、日 銀短観では数字そのものよりも市場参加者の行動を把握するのが重要と したうえで、「相場は補正予算への思惑から軟調となっているが、新年 度入りにあたって昨日までの材料にとらわれるべきでない」ともいう。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日の通常取引終値138円15 銭をやや上回って始まり、日中ベースでは138円00銭から138円40 銭程度での取引が続きそう。3月31日のロンドン市場における6月物 は、東京市場の終値より5銭安い138円10銭だった。

みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフマーケットアナリス トは、日銀短観での足元の景況感悪化は織り込み済みとしながらも、期 初の投資行動をサポートする方向で評価されると予想。「海外市場の動 向や期末にかけて売られたこともあって反発が期待できる」とみる。

31日の先物6月物は開始後に138円40銭まで上昇したが、その 後は国債増発への警戒感などから水準を切り下げ、一時は138円3銭 と中心限月で昨年11月14日以来の安値をつけた。結局、15銭安の 138円15銭で終了。6月物の日中売買高は1兆6463億円だった。

日銀短観では景況感の大幅悪化が示されそう。ブルームバーグ・ ニュースがまとめた予想調査によると、大企業・製造業の業況判断指数 (DI)はマイナス55(前回はマイナス24)と、過去最大の悪化幅を 記録するとの見方が有力だ。

また、前日の米債相場は経済指標の悪化を手がかりに買い優勢と なり、米10年債利回りが前日比5ベーシスポイント(bp)低下の

2.66%程度となったことも国内債相場にとって下支え要因となる。

10年債利回りは1.3%台前半か

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは、31日の終値

1.34%を中心に1.3%台前半での推移となりそう。足元の景況悪化と 需給懸念の綱引きが続くため引き続き方向感の出にくい展開だ。

麻生太郎首相が4月中旬までの追加経済対策の策定を表明したこ とで、前日には需給悪化の懸念が高まった。市場では、「無利子国債の 話も出ており、景気実態が悪いことから当局の経済対策が膨らまざるを 得ない」(三菱東京UFJ銀行円貨資金証券部・峯島泰樹副部長)との 声も聞かれ、引き続き国債増発の観測が相場の重しとなる。

新光証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストも麻生首相の発言 に関して、「おおよそ想定済みであったにもかかわらず市場は売りで反 応するなど、期末最終日という要因を割り引いても需給バランス悪化は 根が深いように思われる」と指摘している。

日本相互証券によると、31日の取引で299回債利回りは前日比

0.5bp高い1.33%で始まり、いったんは横ばいの1.325%に戻したが、 その後は水準を切り上げて1.5bp高い1.34%まで上昇。2月9日以来 の高い水準をつけた。終値は1.34%だった。

一方、10年物国債の299回債利回りは、東京時間の前日午後3時 時点で、大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三 菱UFJ証券各社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BB YF)によると1.343%だった。

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