米国債:上昇、経済統計の悪化で買い-10年債利回り2.71%(2)

米国債相場は上昇。シカゴ地区の 製造業景況指数が6カ月連続で業況縮小を示したほか、住宅価格が予想 以上に下落したことが買いにつながった。

消費者信頼感指数が統計上最低水準付近にとどまったことから、 米国債相場は朝方の下げを消して上昇に転じた。年初来の米国債パフォ ーマンスは1996年以降で最悪。米政府が経済成長の再開を図るなか、 過去最大規模の米国債発行とさらなる増発観測が投資意欲を損なってい る。

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、マイケル・ポ ンド氏(ニューヨーク在勤)は、「統計の内容はかなり悪い。この数週 間にみられた経済指標の好転に、市場は若干勇み足になったようだ」と 述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時45分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)下げて2.71%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は8/32上昇して100 17 /32。

メリルリンチの米国債マスター指数によると、第1四半期の米国 債リターンは1.7%のマイナス。昨年は14.9%のプラスだった。

弱い統計相次ぐ

全米20都市を対象にした1月の米スタンダード・アンド・プアー ズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で19%低下 と、01年の集計開始以来で最大の落ち込みを記録した。前月は18.6% 低下した。

シカゴ購買部協会が発表した3月のシカゴ地区の製造業景況指数 (季節調整済み)は31.4と、前月の34.2から低下した。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト59人の予想中央値は34.3だ った。製造業活動の拡大と縮小の境目である50を6カ月連続で大幅に 下回った。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した3月の米消 費者信頼感指数は26と前月の25.3(速報値は25)から小幅上昇した ものの、依然として低水準にとどまった。前月の数値は1967年の統計 開始以来で最低だった。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 米労働省が4月3日に発表する3月の雇用統計では、非農業部門雇用者 数が4カ月連続で65万人以上の減少を記録すると予想されている。

米国株式市場ではS&P500種株価指数が一時1.8%高で推移。 前日は自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の破産懸念が再燃し、

3.5%下落し、3週間ぶりの大幅安だった。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は、「こうした状況は景気の好転、もしくは株価 の好転を裏付けるものではないため、投資資金は株以外に流出してい る」と指摘。「非農業部門雇用者数は相当厳しい数字になるはずだ。失 業率はまた上昇するだろう」と続けた。

買い取りプログラム

米連邦準備制度理事会(FRB)は消費者の借り入れ金利押し下 げえを目的とした最大3000億ドルの米国債買い取りプログラムに基づ き、30日に25億ドル相当を買い取った。

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)によると、先週の住宅 ローン30年物固定金利は4.85%に低下し、同社が37年前に記録をま とめ始めて以来の最低を記録した。同金利の10年物米国債に対する上 乗せは約2.13ポイント。昨年12月の3.06ポイントから縮小した。

FRBの次回米国債買い切りオペは4月1日に予定。2012年5月 から2013年8月に償還期限を迎える米国債が対象となる。2日には 2013年9月から2016年2月に償還期限を迎える米国債を買い取る。

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