OECD:加盟国09年成長率マイナス4.3%、欧米失業率10%超に

経済協力開発機構(OECD) は31日発表した最新の経済見通しで、2009年の加盟国全体の成長率 予想をマイナス4.3%に下方修正した。各国・地域の中央銀行は景気 回復に向けて、金利以外の政策手段を採用する必要があるとの見方を 示した。

OECDは10年の加盟国成長率をマイナス0.1%と予想。09年 の予想は昨年11月時点のマイナス0.3%から下方修正された。

OECDのチーフエコノミスト、クラウス・シュミットヘベル氏 は報告書で、「景気についての暗いシナリオの原因は、信用逼迫(ひ っぱく)と住宅価格・株式相場下落による資産目減り、全体的な信頼 感の低下が、全世界で民間部門の需要に大きな悪影響を与えているこ とだ」と解説した上で、「総需要減退の影響を和らげるには、金融市 場を修復することに加えて、マクロ的な景気刺激策が必須だ」と指摘 した。

OECDは加盟30カ国すべてが年末までにリセッション(景気 後退)入りしていると予想。これは前例のないことだという。シュ ミットヘベル氏は記者会見で、「現在の経済は、われわれの世代が 経験する中でも最も急激、かつ同時性の高いリセッションのさなか にある。1930年代以来で最悪であることは確かだ」と語った。

ただ、「回復を予想する強い根拠がある。回復は最初は弱々し いが2010年の終わりにかけて勢いを増すだろう。われわれは第2の 『大恐慌』に向かっているわけではない」と述べた。

OECDはまた、米国とユーロ圏の失業率が10%を超えると予 想。主要7カ国の失業者数は来年遅くに、07年半ばに比べほぼ2倍 の3600万人に達すると試算している。

シュミットヘベル氏はまた、ロンドンで4月2日に開催される 20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で指導者らが協調 的な景気刺激策で合意できる可能性は低いとし、既存の各国の対策 が最終的に不十分に終わることが、10年の景気回復に対する最大の リスクだとの見解を示した。ドイツやカナダなどにはまだ支出拡大 の余地があると指摘した。

OECD予想によると、加盟国中では日本経済が最悪の6.6%マ イナス成長となる見込み。10年はマイナス0.5%と予想される。ユー ロ圏は09年がマイナス4.1%、10年がマイナス0.3%、米国は09年 がマイナス4%、10年は横ばいと予想されている。

OECDは、必要ならば銀行を国有化して不良資産処理と資本再 強化を進めることを各国政府に呼び掛けた。保護主義的政策を避け、 余力のある国は金融緩和と財政出動を続けるべきだと指摘。また、中 銀は金利をゼロ付近に維持し与信の流れを回復させる必要があるとの 見解を示した。

OECDは、米国の政策金利が10年末まで0.25%にとどまり、 ユーロ圏は今年6月末までに現在の1.5%からゼロに近づくと予想し ている。日本の成長率予想は同国の短期金利が0.1%にとどまること を前提としている。

OECDはさらに、信用市場の機能回復には低金利だけでは十分 でないとし、米連邦準備制度理事会(FRB)の例に倣い金利以外の 方法で融資促進を図ることを推奨。「金融当局は信用創造と流動性拡 大、デフレ圧力緩和に向けた直接的な措置を導入または拡大するべき だ」と指摘した。

債券買い上げなどの措置をまだ導入していない欧州中央銀行(E CB)については、「景気見通しの悪さに照らし、需要喚起に向けて 量的緩和の措置を導入するべきだ」と指摘。一方、既に米国債購入を 開始したFRBについては、「回復が始まり金融環境が正常化し次第、 利上げを開始する必要があるだろう」としている。

デフレについては「多くの加盟国において、10年には大きなリ スクがありそうだ」との認識を示した。

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