東京外為:円下落、期末需給で売り優勢-日銀短観の悪化見通しも重し

東京外国為替市場では円が下落し た。株価の反発を手がかりに投資家のリスク回避姿勢が弱まるとの見方 から、逃避目的で買っていた円を売る動きが先行。期末に絡んだ円売り 需要の観測もあり、円は前日の急伸前の水準まで値を戻した。

ユーロ・円相場は一時、1ユーロ=130円65銭まで円売りが進行。 前日には米自動車大手の破たん懸念から今月16日以来の水準となる 126円42銭までユーロ安・円高が進んでいた。

カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長は、「年度末でさま ざまなフローが出ているとみられるが、全体的には円売りの方が多く、 日本の経済指標が意識されるなか、あす発表の日銀短観も円売り材料と してとらえられている」と指摘する。

また、対円でのユーロ買いが波及し、ユーロは対ドルでも1ユーロ =1.32ドル台を回復した。

円売り優勢

前日の米国株の急落を受け、31日の東京株式相場は小安く始まっ たが、その後プラスに転換。自民党の国際金融危機対応プロジェクトチ ームが金融証券市場への追加対策をまとめたことなどが支援材料とな った。

日本株は午後に再びマイナスに転じたが、24時間取引のGLOB EX(シカゴ先物取引システム)の米株価指数先物はプラス圏を維持。 米国の自動車業界支援をめぐる不透明感や金融不安を背景に強まって いた市場のリスク回避志向はいったん和らぐ格好となっている。

こうしたなか、円は対ドルでも一時、1ドル=98円50銭まで下落。 高安氏によると「きょうのロンドン・フィックス(ロンドン時間午後4 時)に債券のインデックスの構成比率変更に伴い円売り・ユーロ売り・ ドル買いが出るとのうわさがあり、それを先取りした動きが出ていた」 ほか、「きのう95円台でドル・円を売り込んだ分のショートカバー(ド ルの買い戻し)や新年度入り後の日本の投資家による外債投資を期待し た海外勢の円売り」もあったという。

日銀短観は大幅悪化の見込み

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 日本銀行が4月1日に発表する企業短期経済観測調査(短観、3月調査) では、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を 引いた大企業・製造業の業況判断指数(DI)がマイナス55と、昨年 12月の前回調査(マイナス24)から31ポイントの大幅悪化が見込まれ ている。

この日発表された2月の完全失業率は約3年ぶりの高水準に大幅 上昇し、有効求人倍率は6年ぶりの水準に低下。2月の家計調査では、 2人以上の世帯の消費支出が12カ月連続で減少しており、日本経済の 状況は一段と厳しさを増している。

ECBの量的緩和観測

一方、翌4月2日には欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が予定 されており、一段の金融緩和が見込まれるなか、「ユーロは買っていく 通貨ではない」(高安氏)との指摘も聞かれる。

実際、0.5ポイントの利下げに関しては織り込みが進んでおり、市 場の関心は英米に続き、ECBが国債の購入など量的緩和に踏み切るか どうかに集まっている。

また、前日には米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)がハンガリーとアイルランドの格下げを発表。ロイヤル・バンク・ オブ・スコットランドのヘッド・オブFXストラテジー・ジャパンの山 本雅文氏は、中東欧不安など「ユーロの売り材料があらためて増えた感 がある」なか、ユーロは下がりやすいとみている。

そのほかにも、米国ではISM(米供給管理協会)製造業景況指数 や雇用統計など重要指標の発表が相次ぐ。また、4月2日にはロンドン で20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)が開催される予定 で、「一連の重要材料を見極めた上で来週以降、方向感が出るかどうか を探っていく展開」(みずほコーポレート銀行国際為替部・竪智司参事 役)が見込まれている。

ユーロは対ドルで今四半期に5.2%下落。前日には一時、1ユーロ =1.3114ドルと今月18日以来の水準までユーロ安が進んだ。

一方、円は今四半期、対ドルで7.8%下落。これは2001年10-12 月期(第4四半期)以来の最悪のパフォーマンスで、ユーロに対しては

2.7%安となっている。

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