日本株(終了)終盤崩れ続落、信用不安で金融や不動産が下落率上位

2008年度相場の最終日となった東 京株式相場は、取引終盤に崩れて3日続落。根強い信用不安から、銀行 など金融株や不動産株中心に売られた。東証1部の業種別下落率では保 険を筆頭に、その他金融、証券・商品先物取引、不動産、銀行が上位5 位までを独占した。

ニッセイアセットマネジメントの西崎純チーフ・ポートフォリオ・ マネジャーは、「日本のストレステスト(健全性審査)は査定が非常に 厳しく、最終的にはりそな銀行の実質国有化まで至った」と指摘。米国 では、4月末まではクレジット面の懸念を示すような材料が次々と出て くるだろうと言い、「現在の株価の下落はそうしたリスクを先行して市 場が織り込んでいる」との見方を示した。

日経平均株価の終値は前日比126円55銭(1.5%)安の8109円 53銭、TOPIXは15.88ポイント(2%)安の773.66。東証1部の 売買高は概算で23億1865万株、売買代金は同1兆4375億円。

昨年3月末と比べた08年度相場の下落率は、TOPIXが36%に 達し、これまでの最大だった07年度の29%を超えた。日経平均は 35%となり、2000年度(36%)以来、8年ぶりの大きさだった。

信用リスクに沈む

大幅安だった昨日の反動に円安進行、政策期待などが加わり、午前 は前日比でプラスを維持したが、08年度の最終売買日とあって、「主 力銘柄中心に午前は買い支えられた感じがある」(SMBCフレンド証 券の中西文行ストラテジスト)と特殊性を指摘する声が聞かれた。こう した見方を反映するように、今晩からの国内外の重要経済指標の発表を 前に手控えムードが強まった午後は、根強い信用リスクや景気の先行き 不透明感からじりじりと売り圧力が強まった。

米国では4月末のストレステストを控え、ガイトナー財務長官が一 部の銀行には「多額の支援」が必要になるだろうと述べるなど、信用リ スクに対する警戒が再燃している。保証コストを示すクレジット・デフ ォルト・スワップ(CDS)市場で、米銀シティグループのCDSは3 月9日の高値水準を上回った。「クレジットマーケットはかなりデリケ ートになっている」(りそな信託銀行の下出衛チーフエクイティストラ テジスト)という。

一方、国内ではみずほフィナンシャルグループが30日、15億ドル の永久劣後債について、来月27日の初回の任意償還日には償還しない と発表。金融危機に伴う発行市場の状況や投資家ニーズを踏まえ、総合 的に判断したという。ゴールドマン・サックス証券では、「この発表は 銀行セクターの資本に対する懸念を再燃させる可能性があろう」とし、 同社株の売りを強調した。

需給懸念も重しに

需給面への懸念も不安視された。きょうで年度末を通過すれば期末 防衛意識が薄れ、市場では年金資金などによる下支えが期待できなくな るとの警戒がある。午後からの失速は、あす以降の需給懸念の根強さを 裏付ける動きとなった。

自民党の国際金融危機対応プロジェクトチームは午前に金融証券市 場への追加対策をまとめ、「臨時・異例の措置として、政府の関係機関 に市場からの株式等の買い取りを行う業務を実施させる仕組みを整備す る」と明記した。しかし実施期間などは具体化しておらず、「4月から 実施まで需給の狭間が生じる可能性がある。政策にスピード感がない」 (ニッセイアセットの西崎氏)との声も出ている。

ケネディクスが連騰、スルガは急落

東証1部の値上がり銘柄数は367、値下がり銘柄数は1243。個別 では、158億円のシンジケートローン契約を締結したケネディクスが3 日連続で値幅制限いっぱいのストップ高となった。燃料電池の触媒とし て、高価な白金に代わる炭素材料を初めて実用化したと31日付の日本 経済新聞朝刊が報じた日清紡もストップ高。経済対策への期待から東証 1部値上がり率には、松尾橋梁など低位の公共工事関連、関東電化工業 やステラケミファなど電池関連が並んだ。

半面、原材料高で利益予想を半減させ、株主優待を廃止するスルガ が急落。いちよし経済研究所が投資判断を「割高」に格下げしたソース ネクストも売られ、10年2月期の経常増益率鈍化が嫌気されたあさひ は5日ぶり反落した。

新興市場は続落

新興市場はそろって続落した。ジャスダック指数の終値は前日比

0.10ポイント(0.2%)安の41.04、東証マザーズ指数は2.01ポイント (0.7%)安の306.45、大証ヘラクレス指数は3.84ポイント(0.8%) 安の467.94。

個別では、09年5月期第3四半期の連結財務諸表について、監査 法人から結論不表明の報告書を受領したプロパストがストップ安。09 年5月期の連結純利益予想を減額したジェイコムが3営業日ぶりに反落 した。売買代金上位ではACCESS、日本通信が安い。

半面、iPhone向けなどのアプリケーションデバッグサービスを開 始するデジタルハーツは反発。第3四半期累計の営業利益が17%増だ ったバリオセキュア・ネットワークスは上伸した。売買代金上位ではセ ブン銀行が高く、ダヴィンチ・ホールディングスはストップ高。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE