IHI株が急騰、円安で今期経常黒字に浮上へ-来期造船黒字期待も

総合重機を製造するIHIの株価が 急騰。同社は30日、前回予想時に比べ為替相場が円安になったことを 理由に、赤字を見込んでいた2009年3月期の連結経常損益が黒字に一 転する見通しだと発表した。造船を手掛ける船舶・海洋事業で収益性の 改善が進むと期待から投資資金が流入した。

株価は一時前日比12%高の121円と、約2カ月半ぶりの高値を記録 した。午前終値は9.2%高の118円で、東証1部の上昇率6位。

IHIは今期末の為替レートをこれまで90円と想定していたが、足 元で97円と円安が進行していることを考慮し、30日取引時間終了後に 業績予想の修正を発表した。連結経常損益は従来予想の100億円の赤 字から40億円の黒字に一転する見通し。同社広報・IR室の坂本恵一 課長代理は「1円の変動は約16億円の利益変動要因」と説明する。

同社では船舶の受注残高が約3年分あり、円高に備えて前もって損 失額を引き当て計上していたが、今回円安になったことでこの損失引当 額が小さくなり、工事採算が改善する。

ブルームバーグ・データに登録されたアナリスト4人の連結経常 損益の予想中央値は109億円の赤字。多くのアナリストが赤字を予想 していただけに、会社側の黒字転換見通しは好感された。

発表を受けて、ゴールドマン・サックス証券の境田邦夫アナリスト は31日付の投資家向けメモで、「造船の来期(10年3月期)黒字転換 の可能性は非常に大きくなった」と強調、投資判断「買い」を継続した。 同証券では来期営業利益は325億円(今期会社予想は200億円)と予 想し、目標株価を来期ベースのPER(株価収益率)15倍に当たる 140円(これまでは130円)に見直した。

三菱重工、川崎重工もメリット期待

IHIが今回、円安を理由に業績予想を上方修正したことから、野 村証券金融経済研究所の岡嵜茂樹アナリストは30日付の投資家向けの メモで、同様に為替前提を1ドル=90円としている三菱重工業と川崎 重工業もメリットが享受できると分析している。

岡嵜氏は、損失引当額の縮小による今期営業利益の押し上げ効果 について「三菱重工では約80億円(会社の営業利益予想1050億円)、 川崎重工では約50億円(同180億円)」と想定する。

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