東京外為:ユーロがもみ合い、格下げや量的緩和観測で戻り限定的

東京外国為替市場では、ユー ロがもみ合い。米自動車大手の経営不安を背景に投資家のリスク許 容度低下が意識されるなか、ハンガリーやアイルランドの格下げ、 欧州中央銀行(ECB)による量的緩和の思惑など欧州の弱気材料 が目立っており、ユーロの戻りは限定的となっている。

ユーロ・円相場は1ユーロ=129円台と、前日に付けた今月 16日以来のユーロ安値、126円42銭からは値を戻しているもの の、前日の下落前の水準は依然として下回っている。

ユーロ・ドル相場も前日の海外市場で一時、1ユーロ=

1.3114ドルと同18日以来の水準までユーロ安が進み、その後も

1.32ドル台では戻り意欲が強い。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXス トラテジー・ジャパンの山本雅文氏は、米国で自動車業界と金融業界 の楽観論が後退し、株の下落基調が戻ったことで、投資家のリスク回 避姿勢が強まっており、ドルと円の買い戻しに圧力がかかりやすいと 指摘。そうしたなか、中東欧不安など「ユーロの売り材料があらため て増えた感がある」とし、ユーロは下がりやすいとみている。

一方、この日は日本の年度末にあたるため、東京時間日中は国 内実需筋による駆け込み的な売買が中心となりそうで、ドル・円相 場は需給要因で上下に振れる場面も予想される。

前日にはドル・円が一時、1ドル=95円96銭と1週間ぶり の円高値を記録。その後は値を戻し、足元では97円台後半でドル が小じっかりとなっている。

なお、朝方発表された日本の経済指標は2月の完全失業率が予 想を上回るなど景気の厳しい現状を示す内容となったが、あすに注 目の企業短期経済観測調査(日銀短観、3月調査)の発表を控えて いることもあり、円相場への影響は限られている。

米自動車大手の再建問題

オバマ米大統領は30日、米自動車メーカー、ゼネラル・モー ターズ(GM)とクライスラーに対し、存続への最後のチャンスを 与え、「国家に依存することなく、根本的な経営再建策」を策定す るよう指示した。両社の計画が失敗した場合に備え、政府は事前合 意型の破産法適用に向けて用意を進めており、オバマ大統領はその 方が債務を処理し、小規模な事業体系で再出発するのが容易になる との認識も示した。

米自動車大手の再建見通しに不透明感が広がるなか、30日の 米国株は急落。週末にガイトナー米財務長官が一部の銀行には「大 規模な金額」の支援が必要になると発言したことも市場の不安心理 をあおる形となり、投資家の悲観的なセンチメントを示すシカゴ・ オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス (VIX)は前週末の41.04から11%高い45.54に急伸した。

ユーロの悪材料

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は 30日、アイルランドの格付けを最上級の「AAA」から1段階引 き下げ「AA+」とした。また、ハンガリーの外貨建て長期債務格 付けも従来の「BBB」から1段階引き下げ、投資適格級最低の 「BBB-」に設定した。

一方、欧州連合(EU)の欧州委員会が30日発表した3月の ユーロ圏景況感指数(速報値)は64.6と、1985年の統計開始以 来の最低水準に落ち込んだ。

欧州で悪材料が目立つなか、4月2日にはECBの定例理事会 が予定されている。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト調査では、0.5ポイントの利下げが見込まれているが、市場 では英米に続いてECBも国債の買い入れに踏み切るとの思惑が浮 上しており、目先は引き続きユーロの下押しリスクが警戒される。

--共同取材 三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Norihiko Kosaka

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