首相:追加対策、4月中旬までの策定を指示-赤字国債も辞さず(5)

麻生太郎首相は31日昼、国会内で公 明党の太田昭宏代表ら自民、公明両党幹部、与謝野馨財務・金融・経 済財政担当相らと会合を開き、4月中旬までのできるだけ早い時期に追 加経済対策を策定するよう指示した。財源が不足する場合は、赤字国債 の発行も辞さない考えも表明した。

この後、首相は官邸で行った記者会見で、追加対策を裏付けるため の2009年度補正予算案の今国会への提出・成立を図る考えを表明し た。

首相の指示内容は、自民党の保利耕輔政調会長や与謝野氏が会談 後、記者団に明らかにした。それによると、追加経済対策は①景気の底 割れ防止②雇用の確保による国民の痛みの軽減③未来の成長力強化 につなげる-ことを目的に、短期的な経済対策と中期的な成長戦略が2 つの柱。首相は雇用、金融、未来への投資、社会保障、子育て支援、地 方経済などの分野で政策手段を総動員する意向を示したという。

みずほ総合研究所シニアエコノミストの山本淳氏は4月中旬までの追 加対策策定を指示したことについて「スピードの観点から、速くまとめよう という姿勢は評価に値する。今のタイミングで策定して補正を5月くらい に上げて、夏に執行というのはリーズナブルで、タイミングとしてもいいと 思う」と指摘。その上で、総選挙の時期について「民主党の支持率がか なり下がっているので、同じ負けるのでも負け方が小さい方がいいだろう 」とも述べ、5月に衆院の総選挙が行われる可能性もあるとの見方を示し た。

財源問題

追加経済対策の規模に関し、与党内からは古賀誠選挙対策委員長 が「20兆円前後」になるとの見通しを示しているほか、自民党の国際競争 力調査会(会長・尾身幸次元財務相)が総額14兆7000億円に上る対 策の中間提言をとりまとめるなど「10兆円超」の大規模なものとするよう求 める声が出ている。自民党の日本経済再生戦略会議(会長・町村信孝前 官房長官)がまとめた中間報告では具体的数値こそ書き込まれなかった ものの、規模は「過去最大級」とする方針を明記している。

こうした大型の経済対策を実行するとなれば、財源をどこから調達す るかも課題となる。保利氏は、首相が与党幹部に対し、財政投融資特別 会計の積立金や建設国債、09年度予算に計上している経済緊急対応 予備費(1兆円)を基本とする考えを示したことを紹介。赤字国債の発行 は、それでも財源が不足した場合であることを強調してみせた。保利氏 は自身の見解として「できるだけ避けたいが、やってみてどうなっていく かはこれからだ。好んでするというわけではない」とも付け加えている。

与党に早期解散論

自民党内には公設秘書が起訴された民主党の小沢一郎代表が続投 を表明したことを好機ととらえ、中川秀直元幹事長が5月総選挙論を唱え るなど早期解散を求める声が浮上している。首相が31日夕の記者会見 で2009年度補正予算案とその関連法案に野党が反対すれば衆院解散 に踏み切る可能性を示したのもこうした党内世論を受けての発言とみら れる。

一方、細田博之幹事長は29日のNHK番組「日曜討論」で、「景気 対策の関係法を早急に与野党で協議して済ませれば、いろいろ余地が 出てくるのかなと思っている」と指摘。野党の協力も得て補正予算を早期 に成立させることを前提に早期解散の可能性もあり得るとの見方を示して いる。補正予算の取り扱いは解散戦略と絡んで首相が政治決断を求め られる問題となる。

--共同取材:伊藤辰雄、下土井京子、坂巻幸子 Editor: Hitoshi Sugimoto,Masaru Aoki 参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 広川高史 Takashi Hirokawa +81-3-3201-8641 thirokawa@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Bill Austin +81-3-3201-8952 billaustin@bloomberg.net

Tatsuo Ito Kyoko Shimodoi

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