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2月雇用悪化、失業率4.4%に上昇-有効求人は6年ぶり低水準(3)

2月の国内雇用指標は完全失業率 が約3年ぶりの高水準に大幅上昇し、有効求人倍率は6年ぶりの低水 準に落ち込んだ。輸出の急減を背景とした製造業の生産調整が進む中、 自動車や電機など輸出型産業を中心に人員削減が相次ぎ、雇用情勢の 悪化が一段と鮮明になった。

総務省が31日発表した労働力調査によると、2月の完全失業率 (季節調整済み)は2006年1月以来となる4.4%と前月から0.3ポイ ント上昇した。男性は4.4%と前月から0.2ポイント上昇、女性は4.4% と0.3ポイント上昇。また、厚生労働省が発表した2月の有効求人倍 率(季節調整値)は0.59倍と前月を0.08ポイント下回り、03年2月 と並ぶ低水準となった。有効求人倍率の0.08ポイント下落は1974年 12月(0.09ポイント下落)以来の最大の下落率。

景気後退を受けた人員削減は、非正規雇用を中心に急速に調整が 進んでいる。厚生労働省がこの日発表した「非正規労働者の雇用止め 等の状況(3月報告)」では、昨年10月から今年6月の間に失職もし くは失職予定の非正規労働者が19万2061人に上った。失業率の上昇 を通じ個人消費が減少すれば、国内景気は一段と悪化する恐れがある。

河村建夫官房長官は同日の閣議後会見で、 雇用情勢の悪化を受け 「依然として、現下の情勢は厳しいという認識に立っている。そうい う意味での追加対策的なものも必要になってくるという認識だ」と語 った。雇用対策については、「強力に進めていくことが大事だと考え ている。新たな、これからの新政策においても全治3年の中で雇用体 制を強力なものにしていくのは当然だ」と強調した。

失業率、年内に5.7%にも

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは 統計発表後、「これが失業率の天井とはみていない」とした上で、今年 中に過去最高水準の5.7%に達すると予想していると付け加えた。同 氏は「製造業は雇用を抑制することで引き続きコストを削減している」 と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査の予想中央値は、 完全失業率が4.3%、有効求人倍率は0.63倍だった。

完全失業者の総数は299万人と1月から33万人増加した。勤め先 都合で職を失った求職者数は前月に比べ10万人増加する一方、自己都 合の求職者は7万人減少した。男性の55-65歳以上を除く、すべての 男女で完全失業者数が増加した。

BNPパリバ証券の加藤あずさエコノミストは「企業は残業時間 圧縮や採用抑制、非正規雇用削減で対応しているが、足元では正規雇 用の雇用調整(希望退職の募集など)も見られ始めた。今後は正規雇 用削減の動きが広がってくる公算が大きい」と指摘した。さらに、「 雇用の8割強を占める非製造業の雇用調整もこの先深刻化するとみら れ、経済全体の雇用情勢はますます厳しいものとなるだろう」として いる。

円の対ドル相場は午前11時現在、1ドル=98円12銭前後。発表 直前は同97円32銭前後。日経平均株価の午前の終値は前日比72円 75銭高の8308円83銭。

消費支出は12カ月連続減

一方、総務省が同日発表した2月の家計調査によると、2人以上 の世帯の消費支出は前年同月比3.5%減と12カ月連続で減少し、生活 防衛のため支出を抑制する姿が続いている。ブルームバーグ・ニュー スのエコノミスト調査の予想中央値は同4.7%減だった。12カ月連続 の減少は史上3回目。総務省では、前年のうるう年効果は大きいが、 その分を除いても消費は弱いとしている。これは暖冬によって消費が 伸びなかったことも要因と指摘している。

実質消費支出は前月比(季節調整済み)で0.3%増加したが、こ れは主に振れの大きい自動車購入が寄与した。住居や自動車購入、仕 送り金などを除く実質消費支出は前年比5.2%、前月比0.7%のそれぞ れ減少となっている。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表後に、「 ヘッドラインの数字こそ事前予想対比やや強めだったが、内容はむし ろ弱めである」とした上で、「所得の悪化や景気不安の高まりなどを背 景に、家計の消費意欲が減退していることが確認できる」と指摘した。

新家氏はまた、「GDP(国内総生産)ベースの個人消費は08年 10-12月期に前期比0.4%と減少していたが、09年1-3月期につい ても減少となる可能性が高まっている」との見方を示し、先行きにつ いても「消費の低迷は続くだろう。雇用環境の急速な悪化や賃金の下 落が確実視されるなど消費を取り巻く環境は非常に厳しい」との認識 を示した。

消費の減少要因となった品目は、医科診療代や入院費、灯油、プ ロパンガス・都市ガス、まぐろやぶりなどの魚介類だった一方、自動 車やテレビ、パソコンなどが上昇に寄与した。ただ、テレビなどは価 格低下により販売数量ほど消費支出は増えていない。食料品では、値 段の安いもやしの消費増加が目立っているという。

2月の販売関連指標をみると、百貨店売上高は前年同月比11.5% 減と12カ月連続で減少し、2月の減少率としては過去最大となった。 一方、2月の景気ウオッチャー(街角景気)調査によると、景気の現 状判断は2カ月連続で改善した。消費者の購買態度は依然慎重だが、 円高などによる一部商品の価格低下や環境対応車、住宅に対する購買 意欲が見られた。

--共同取材 広川高史 Jason Clenfield Editor:Hitoshi Ozawa, Masaru Aoki

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