3月30日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株と米国債を最新版に差し替えます)

○米国株:米国株式相場は急落。一部の銀行が政府の追加支援を必要 とするとの懸念が高まったほか、自動車メーカーの存続をかけた事業 再編がいよいよ正念場を迎えたことから、株価は3週間ぶりの大幅安 となった。一方で米国債相場は上昇し、ドルは堅調に推移した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループなど銀行株 が売りを浴びた。ガイトナー米財務長官は一部の銀行には「大規模な 金額」の支援が必要になると発言した。GMは25%急落。オバマ大 統領は、GMとクライスラーに対し「国家に依存することなく」存続 の道を探るよう指示した。アルミ大手のアルコアは14%急落。中国 最大手の中国アルミ(チャルコ)の決算が99%を超える減益だった ことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前営業日比3.5%安の787.53。月初から の上昇率は7.1%に圧縮された。ダウ工業株30種平均は同254.16ド ル安(3.3%)安の7522.02ドル。MSCIワールド指数は3.9%下 げた。

キー・プライベート・バンク(クリーブランド)の主任投資ストラ テジスト、ブルース・マケイン氏は、「危ない銀行の有無がいまだに 深刻な問題となっている」と指摘。「投資家が売り浴びせの口実を探 しているとすれば、これらは現実的な懸念材料に違いない。相場は逆 戻りして安値を試す可能性がある」と述べた。

S&P500種は9日につけた12年ぶり安値から16%高。年初来 では13%の値下がり。今月はシティグループやJPモルガン・チェ ースが1-2月の業績が黒字だったと表明したほか、ガイトナー米財 務長官が銀行のバランスシートから不良資産を除去する計画の詳細を 発表したことを好感し、株価は値を戻していた。

VIX急上昇

S&P500種は27日までの14営業日で21%上昇。S&Pのアナ リスト、ハワード・シルバーブラット氏のデータによれば、この期間 での値上がり率としては1938年以来で最大。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は11%急伸して45.54。2日以来で最大の伸びとなった。 VIXはS&P500種の下落に備えたオプション費用を示す。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、ジェイソン・トッド氏 は企業収益の悪化は続いているとして、米国株を売りに指定した。ま たゴールドマン・サックス・グループは持続的な相場上昇はまだ先の ようだとして、「ディフェンシブ」銘柄から景気循環株への乗り換え は様子を見るよう警告した。

デービッド・コスティン氏率いるゴールドマンのストラテジスト チームは29日付のリポートで、経済成長への依存度が最も高い産業 は「弱気相場の中では常にほかよりも成績が良いが、底入れの時期を 計るのは難しく、景気循環株がほかより勝るのは景気の谷が過ぎてか ら4-12カ月後になることが多いため、経験則から判断すると、物 色対象を変更するのは早い時期よりも遅い方が良い」と指摘した。

コスティン氏はS&P500種が「短期的には700-800のレンジ で推移する」との見通しを示した。ゴールドマンの09年末予想は 940。

銀行株ではBOAが18%安。シティグループは12%、ウェル ズ・ファーゴは14%下げた。ガイトナー長官は29日、ABCのニュ ース番組の中で、一部の銀行には「多額の支援」が必要になるだろう と述べた。

保険のリンカーン・ナショナルは38%急落。S&P500種採用銘 柄のうち値下がり率トップとなった。政府に30億ドルの支援を求め ている同社は、政府保証の社債発行プログラムへの参加申請を取り下 げた。

S&P500種の金融株価指数は9.4%下落し、産業別10指数のう ち値下がり率トップ。

GMは25%急落。オバマ政権はGMのリック・ワゴナー最高経 営責任者(CEO)の辞任を要求し、同社はこれに応じた。政府はク ライスラーに対しては、イタリアのフィアットとの提携を模索するよ う求めた。クライスラーと親会社のサーベラス・キャピタル・マネジ メントはこれを受けて、フィアットとの世界的提携で枠組みに合意し たと発表した。

アルコアは14%下落。フリーポート・マクモラン・カッパー& ゴールドは8.5%安。チャルコの2008年決算が99.9%減益となり、 1-3月期は赤字を見込んでいることから銅、アルミ、銀相場が下落 した。

○米国債:米国債相場は上昇。ゼネラル・モーターズ(GM)が破産 申請の「可能性が高まった」との見方を示したため、安全資産への逃 避需要が高まった。

米国債相場は月間では今のところ今年初めての上昇となっている。 リセッション(景気後退)で金融業界の損失が一段と膨らむとの懸念 から株価が軟調なことが背景。米連邦準備制度理事会(FRB)はこ の日、米国債買い取りプログラムに基づく3度目の買い取りを実施し た。

MFグローバルの仕組み商品共同責任者、アンドルー・ブレナー 氏は「市場は神経質だ。自動車や銀行など不透明感があるときはいつ でも、質への逃避とリスク資産の敬遠傾向が強まる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時40分現在、10年債利回りは前週末比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.71%。10年債(表面利率2.75%、 償還2019年2月)価格は13/32高の100 10/32。

国債購入

FRBは3度目の長期国債買い入れを実施した。詳細が発表され ると、より大規模な買い取りを予想していた参加者が売りを出したた め、30年債利回りは一時3.65%まで上昇した。30年債はその後、2 bp低下の3.60%。

米国大和証券の債券部門責任者、レイモンド・レミー氏は「市場 は買い取りの意味を把握しようとしている。市場は供給との関係がど うなるか確信を持てていない」と指摘した。

この日最大の買い取りは8億9100万ドルだった2039年2月償還 の米国債。これは最も活発に取引されている30年物の指標債。FR Bは27日、償還が2012年3月の3年債(今月入札)を56億ドル購 入した。

住宅ローン金利の低下

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、アンシュル・ プラダン氏(ニューヨーク在勤)は、FRBが指標債の購入に集中し ている可能性があるとの見方を示した。「プログラムの目的が住宅ロ ーン金利の引き下げであることを考慮すると、早急な影響を与えるに は米国債指標銘柄の利回りを引き下げる方が良い」と指摘した。

FRBは18日、最大3000億ドルの米国債買い取り計画を発表し た。借り入れコストの引き下げと景気浮揚が狙い。

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の26日現在の直近デ ータによると、30年物固定金利の平均は4.85%。10年債利回りを

2.11ポイント上回っている。同利回り差は信用危機が発生する前10 年間の平均は1.72ポイントだった。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ケビン・フラナガ ン氏(ニューヨーク在勤)は「FRBの目的が住宅ローン金利を低下 させることなら、まずは成功したと言える。問題は持続性だ」と述べ た。

FRBは4月1日に償還2012年5月から13年8月の国債を購入 する。2日には13年9月から16年2月の国債を買い取る。FRBは 先週、1960年代初頭以来となる国債買い切り(150億ドル相当)を実 施した。一方、財務省は過去最高となる980億ドルの中長期国債を発 行している。

メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の投資収益 率は今月に入って1.8%と、昨年12月以来で最大。

オバマ大統領はGMとクライスラーに対し、「国家に依存するこ となく」存続するよう求め、債権団や株主、従業員、ディーラー、部 品企業には一段の犠牲が予想されると述べた。オバマ政権はGMのリ ック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)に辞任を迫った。クライス ラーと親会社のサーベラス・キャピタルは、イタリアのフィアットと の提携に向けた「枠組み」で合意した。

増発観測

オバマ政権は景気浮揚や金融システムの破たんに備え、政府支出 を拡大。3兆5500億ドル規模の2010年度(10年9月まで)予算の 通過を議会に求めている。

超党派の議会予算局(CBO)の予測によると、10年度の財政 赤字は1兆3800億ドルと、ホワイトハウスの予想1兆1700億ドルを 上回っている。

ゴールドマン・サックス・グループの予測によれば、米国債の発 行額は今年、ほぼ倍増し、過去最高の2兆5000億ドルに上る。

ストラテガス・リサーチ・パートナーズのチーフ投資ストラテジ スト、ジェーソン・トレナート氏は政府の借り入れ増大を背景に10 年債利回りが2010年末までに6%に達する可能性があると指摘した。

社債保有コストが上昇。米政府が銀行のバランスシートから不良 資産を切り取る計画を発表したが、銀行の一部破たんを回避するには 十分ではない恐れがあるとの懸念が強まっている。

信用スプレッド縮小

第1四半期にメリルリンチの米国債マスター指数はマイナス

1.92%の収益率。一方、主要住宅ローン関連証券指数はプラス

2.12%、金融機関以外の社債指数はプラス2.16%で推移している。

資産運用会社TCWグループのマネジングディレクター、バー・ シーガル氏は「米国債には投資妙味があまりない。投資家はわれわれ と同じように、リスク資産買いに走り、信用スプレッドを押し下げて いる」と指摘した。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場では円とドルが全主要通貨に 対して上昇。米政府当局者が自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ (GM)とクライスラーについて、破産申請が最良の選択肢かもしれ ないと発言したことで、円とドルに資金を逃避させる動きに拍車が掛 かった。

円は対ユーロで2週間ぶり高値まで上昇。世界的なリセッション (景気後退)を背景に金融業界の損失が拡大するとの懸念から株価が 下落。ガイトナー米財務長官は29日、一部の銀行には大規模な政府 支援が必要になるとの見通しを示した。ハンガリー・フォリントは対 ユーロで3週間ぶり安値まで下落。格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)がハンガリーの外貨建て長期債務格付けを従 来の「BBB」から1段階引き下げ、投資適格級最低の「BBB-」 に設定したほか、さらなる格下げの可能性があるとしたことが背景。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア通貨ストラテジスト、マ シュー・ストラウス氏(トロント在勤)は「ドルと円の堅調は、市場 が再びリスクを回避している状況を反映している」と指摘。「ここ数 週間ほど主に明るいニュースが続いていたが、週末にかけてその流れ が急激に変わった」と語った。

ニューヨーク時間午後4時19分現在、円は対ユーロで1.3%上 げ、1ユーロ=128円30銭(前週末は同130円4銭)。一時は同126 円42銭と、16日以来の高値を付けた。2営業日では4.1%上昇して おり、この上げ幅は1月12日以来で最大。円は対ドルで0.6%上げ、 1ドル=97円24銭(前週末は同97円86銭)。ドルは対ユーロでは

0.8%上げ、1ユーロ=1.3189ドル(前週末は同1.3287ドル)。

対ユーロのドル相場はこのままいくと四半期ベースで6%上げ、 4四半期連続で上昇と、2005年12月以降で最長の上げを記録しそう だ。ブルームバーグによると、ドルは対円で6.9%上昇、主要通貨の 中では2番目に堅調となった。

ドル指数

この日は主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数が上 昇。米政府当局者が匿名を条件に、自動車メーカー、GMとクライス ラーは国民の税金をさらに使うことを正当化するには経営再建策を徹 底的に見直すべきと発言したことで、世界の準備通貨としてのドルへ の需要が高まった。オバマ米大統領は30日、両社に対し、存続への 最後のチャンスを与え、「国家に依存することなく、根本的な経営再 建策」を策定するよう指示した。

UBSの通貨ストラテジスト、ベネディクト・ジャーマニエ氏 (コネティカット州スタンフォード在勤)は「ドルにはまだ上昇余地 があり、逆にユーロはまだ下げる可能性があると当社はみている。G Mとクライスラーのニュースを受け、すべてが逆戻りした」と語った。

ドル指数は0.9%上昇し、85.84。一時は85.99と、18日以来の 高水準を付けた。一方、MSCI世界指数は3.7%下げ、S&P500 種株価指数は3.5%下落した。

円対ウォン

円は対韓国ウォンで4%上げ、対オーストラリア・ドルでも

2.8%上昇した。株価が下げたことで、日本の投資家による国外の高 利回り資産の買いが後退するとの観測が背景となった。日本の政策金 利が0.1%であるのに対し、韓国は同2%、オーストラリアは同

3.25%となっている。

○英国債:英国債相場は上昇。株式相場が下落したほか、業界団体が 英国の金融機関が4-6月(第2四半期)に最大1万5000人を削減 する可能性があるとの見通しを示したことが材料となった。

イングランド銀行(英中央銀行)が30日、量的緩和策の一環と して、英国債25億ポンド相当の買い取りを実施したことも国債相場 への上昇要因となった。同行発表によれば、応札総額は51億ポンド で、倍率は2.03倍。先週の入札では25日が1.4倍、23日が3.21倍 だった。

10年債利回りは前週末比11ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し3.18%。同国債(表面利率4.5%、2019年3月償 還)価格は0.95ポイント上げ111.20。2年債利回りも11bp低下し

1.17%となった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は「英国政府は利回り押し下げを狙い、国債買い 取りを拡大するだろう」と語った。

○欧州債:欧州債市場では、ドイツ国債が4営業日連続で上昇。ガイ トナー米財務長官が29日に一部の銀行には大規模な政府支援が必要 になるとの見通しを示したほか、米自動車メーカーが破産申請を余儀 なくされる可能性に言及したオバマ米大統領の発言が材料視された。

このままいけば、独2年債は四半期ベースで3四半期連続高とな る。昨年4-6月期以来のマイナスに向かっていた独10年債相場は 下げ幅を縮小した。世界の株式相場が下落したことも国債相場への支 援材料となった。

野村インターナショナルの欧州金利戦略責任者、チャールズ・デ ィーベル氏(ロンドン在勤)は「株式相場が大幅安だったため、この 日の欧州国債は極めて堅調だった」と語った。

ロンドン時間午後4時50分現在、独2年債利回りは前週末比5 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.26%となった。 同国債(表面利率1.25%、2011年3月償還)価格は0.10ポイント上 げ99.99。独10年債利回りは3.03%と、前週末を6bp下回った。

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