米国株:3週ぶり大幅安、銀行支援を警戒-自動車は存続正念場

米国株式相場は急落。一部の 銀行が政府の追加支援を必要とするとの懸念が高まったほか、自動車 メーカーの存続をかけた事業再編がいよいよ正念場を迎えたことから、 株価は3週間ぶりの大幅安となった。一方で米国債相場は上昇し、ド ルは堅調に推移した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループなど銀行 株が売りを浴びた。ガイトナー米財務長官は一部の銀行には「大規模 な金額」の支援が必要になると発言した。GMは25%急落。オバマ 大統領は、GMとクライスラーに対し「国家に依存することなく」存 続の道を探るよう指示した。アルミ大手のアルコアは14%急落。中 国最大手の中国アルミ(チャルコ)の決算が99%を超える減益だっ たことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前営業日比3.5%安の787.53。月初 からの上昇率は7.1%に圧縮された。ダウ工業株30種平均は同

254.16ドル安(3.3%)安の7522.02ドル。MSCIワールド 指数は3.9%下げた。

キー・プライベート・バンク(クリーブランド)の主任投資ス トラテジスト、ブルース・マケイン氏は、「危ない銀行の有無がいま だに深刻な問題となっている」と指摘。「投資家が売り浴びせの口実 を探しているとすれば、これらは現実的な懸念材料に違いない。相場 は逆戻りして安値を試す可能性がある」と述べた。

S&P500種は9日につけた12年ぶり安値から16%高。年 初来では13%の値下がり。今月はシティグループやJPモルガン・ チェースが1-2月の業績が黒字だったと表明したほか、ガイトナー 米財務長官が銀行のバランスシートから不良資産を除去する計画の詳 細を発表したことを好感し、株価は値を戻していた。

VIX急上昇

S&P500種は27日までの14営業日で21%上昇。S&P のアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏のデータによれば、こ の期間での値上がり率としては1938年以来で最大。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は11%急伸して45.54。2日以来で最大の伸びとなっ た。VIXはS&P500種の下落に備えたオプション費用を示す。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、ジェイソン・トッド 氏は企業収益の悪化は続いているとして、米国株を売りに指定した。 またゴールドマン・サックス・グループは持続的な相場上昇はまだ先 のようだとして、「ディフェンシブ」銘柄から景気循環株への乗り換 えは様子を見るよう警告した。

デービッド・コスティン氏率いるゴールドマンのストラテジスト チームは29日付のリポートで、経済成長への依存度が最も高い産業 は「弱気相場の中では常にほかよりも成績が良いが、底入れの時期を 計るのは難しく、景気循環株がほかより勝るのは景気の谷が過ぎてか ら4-12カ月後になることが多いため、経験則から判断すると、物 色対象を変更するのは早い時期よりも遅い方が良い」と指摘した。

コスティン氏はS&P500種が「短期的には700-800のレン ジで推移する」との見通しを示した。ゴールドマンの09年末予想は 940。

銀行株ではBOAが18%安。シティグループは12%、ウェル ズ・ファーゴは14%下げた。ガイトナー長官は29日、ABCのニ ュース番組の中で、一部の銀行には「多額の支援」が必要になるだろ うと述べた。

保険のリンカーン・ナショナルは38%急落。S&P500種採 用銘柄のうち値下がり率トップとなった。政府に30億ドルの支援を 求めている同社は、政府保証の社債発行プログラムへの参加申請を取 り下げた。

S&P500種の金融株価指数は9.4%下落し、産業別10指 数のうち値下がり率トップ。

GMは25%急落。オバマ政権はGMのリック・ワゴナー最高 経営責任者(CEO)の辞任を要求し、同社はこれに応じた。政府は クライスラーに対しては、イタリアのフィアットとの提携を模索する よう求めた。クライスラーと親会社のサーベラス・キャピタル・マネ ジメントはこれを受けて、フィアットとの世界的提携で枠組みに合意 したと発表した。

アルコアは14%下落。フリーポート・マクモラン・カッパー &ゴールドは8.5%安。チャルコの2008年決算が99.9%減益と なり、1-3月期は赤字を見込んでいることから銅、アルミ、銀相場 が下落した。

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