米国債:上昇、自動車救済問題で逃避買い-10年債2.71%

米国債相場は上昇。ゼネラ ル・モーターズ(GM)が破産申請の「可能性が高まった」との見方 を示したため、安全資産への逃避需要が高まった。

米国債相場は月間では今のところ今年初めての上昇となっている。 リセッション(景気後退)で金融業界の損失が一段と膨らむとの懸念 から株価が軟調なことが背景。米連邦準備制度理事会(FRB)はこ の日、米国債買い取りプログラムに基づく3度目の買い取りを実施し た。

MFグローバルの仕組み商品共同責任者、アンドルー・ブレナー 氏は「市場は神経質だ。自動車や銀行など不透明感があるときはいつ でも、質への逃避とリスク資産の敬遠傾向が強まる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時40分現在、10年債利回りは前週末比5ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)低下の2.71%。10年債(表面利率

2.75%、償還2019年2月)価格は13/32高の100 10/32。

国債購入

FRBは3度目の長期国債買い入れを実施した。詳細が発表され ると、より大規模な買い取りを予想していた参加者が売りを出したた め、30年債利回りは一時3.65%まで上昇した。30年債はその後、 2bp低下の3.60%。

米国大和証券の債券部門責任者、レイモンド・レミー氏は「市場 は買い取りの意味を把握しようとしている。市場は供給との関係がど うなるか確信を持てていない」と指摘した。

この日最大の買い取りは8億9100万ドルだった2039年2月 償還の米国債。これは最も活発に取引されている30年物の指標債。 FRBは27日、償還が2012年3月の3年債(今月入札)を56億 ドル購入した。

住宅ローン金利の低下

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、アンシュル・ プラダン氏(ニューヨーク在勤)は、FRBが指標債の購入に集中し ている可能性があるとの見方を示した。「プログラムの目的が住宅ロ ーン金利の引き下げであることを考慮すると、早急な影響を与えるに は米国債指標銘柄の利回りを引き下げる方が良い」と指摘した。

FRBは18日、最大3000億ドルの米国債買い取り計画を発表 した。借り入れコストの引き下げと景気浮揚が狙い。

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の26日現在の直近デ ータによると、30年物固定金利の平均は4.85%。10年債利回りを

2.11ポイント上回っている。同利回り差は信用危機が発生する前 10年間の平均は1.72ポイントだった。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ケビン・ フラナガン氏(ニューヨーク在勤)は「FRBの目的が住宅ローン金 利を低下させることなら、まずは成功したと言える。問題は持続性 だ」と述べた。

FRBは4月1日に償還2012年5月から13年8月の国債を購 入する。2日には13年9月から16年2月の国債を買い取る。FR Bは先週、1960年代初頭以来となる国債買い切り(150億ドル相 当)を実施した。一方、財務省は過去最高となる980億ドルの中長 期国債を発行している。

メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の投資収益 率は今月に入って1.8%と、昨年12月以来で最大。

オバマ大統領はGMとクライスラーに対し、「国家に依存するこ となく」存続するよう求め、債権団や株主、従業員、ディーラー、部 品企業には一段の犠牲が予想されると述べた。オバマ政権はGMのリ ック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)に辞任を迫った。クライス ラーと親会社のサーベラス・キャピタルは、イタリアのフィアットと の提携に向けた「枠組み」で合意した。

増発観測

オバマ政権は景気浮揚や金融システムの破たんに備え、政府支出 を拡大。3兆5500億ドル規模の2010年度(10年9月まで)予算 の通過を議会に求めている。

超党派の議会予算局(CBO)の予測によると、10年度の財政 赤字は1兆3800億ドルと、ホワイトハウスの予想1兆1700億ド ルを上回っている。

ゴールドマン・サックス・グループの予測によれば、米国債の発 行額は今年、ほぼ倍増し、過去最高の2兆5000億ドルに上る。

ストラテガス・リサーチ・パートナーズのチーフ投資ストラテジ スト、ジェーソン・トレナート氏は政府の借り入れ増大を背景に10 年債利回りが2010年末までに6%に達する可能性があると指摘し た。

社債保有コストが上昇。米政府が銀行のバランスシートから不良 資産を切り取る計画を発表したが、銀行の一部破たんを回避するには 十分ではない恐れがあるとの懸念が強まっている。

信用スプレッド縮小

第1四半期にメリルリンチの米国債マスター指数はマイナス

1.92%の収益率。一方、主要住宅ローン関連証券指数はプラス

2.12%、金融機関以外の社債指数はプラス2.16%で推移して いる。

資産運用会社TCWグループのマネジングディレクター、バー・ シーガル氏は「米国債には投資妙味があまりない。投資家はわれわれ と同じように、リスク資産買いに走り、信用スプレッドを押し下げて いる」と指摘した。

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