NY外為:ドルと円が上昇-米自動車不安が再燃、逃避買い加速(2)

ニューヨーク外国為替市場では 円とドルが全主要通貨に対して上昇。米政府当局者が自動車メーカー、 ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーについて、破産申請が 最良の選択肢かもしれないと発言したことで、円とドルに資金を逃避 させる動きに拍車が掛かった。

円は対ユーロで2週間ぶり高値まで上昇。世界的なリセッション (景気後退)を背景に金融業界の損失が拡大するとの懸念から株価が 下落。ガイトナー米財務長官は29日、一部の銀行には大規模な政府 支援が必要になるとの見通しを示した。ハンガリー・フォリントは対ユ ーロで3週間ぶり安値まで下落。格付け会社スタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)がハンガリーの外貨建て長期債務格付けを従来の「B BB」から1段階引き下げ、投資適格級最低の「BBB-」に設定した ほか、さらなる格下げの可能性があるとしたことが背景。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア通貨ストラテジスト、マ シュー・ストラウス氏(トロント在勤)は「ドルと円の堅調は、市場が 再びリスクを回避している状況を反映している」と指摘。「ここ数週間 ほど主に明るいニュースが続いていたが、週末にかけてその流れが急激 に変わった」と語った。

ニューヨーク時間午後4時19分現在、円は対ユーロで1.3% 上げ、1ユーロ=128円30銭(前週末は同130円4銭)。一時は 同126円42銭と、16日以来の高値を付けた。2営業日では

4.1%上昇しており、この上げ幅は1月12日以来で最大。円は対ド ルで0.6%上げ、1ドル=97円24銭(前週末は同97円86銭)。 ドルは対ユーロでは0.8%上げ、1ユーロ=1.3189ドル(前週末 は同1.3287ドル)。

対ユーロのドル相場はこのままいくと四半期ベースで6%上げ、4 四半期連続で上昇と、2005年12月以降で最長の上げを記録しそうだ。 ブルームバーグによると、ドルは対円で6.9%上昇、主要通貨の中では 2番目に堅調となった。

ドル指数

この日は主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数が上昇。 米政府当局者が匿名を条件に、自動車メーカー、GMとクライスラーは 国民の税金をさらに使うことを正当化するには経営再建策を徹底的に見 直すべきと発言したことで、世界の準備通貨としてのドルへの需要が高 まった。オバマ米大統領は30日、両社に対し、存続への最後のチャン スを与え、「国家に依存することなく、根本的な経営再建策」を策定す るよう指示した。

UBSの通貨ストラテジスト、ベネディクト・ジャーマニエ氏 (コネティカット州スタンフォード在勤)は「ドルにはまだ上昇余地 があり、逆にユーロはまだ下げる可能性があると当社はみている。G Mとクライスラーのニュースを受け、すべてが逆戻りした」と語った。

ドル指数は0.9%上昇し、85.84。一時は85.99と、18日以来の 高水準を付けた。一方、MSCI世界指数は3.7%下げ、S&P500種 株価指数は3.5%下落した。

円対ウォン

円は対韓国ウォンで4%上げ、対オーストラリア・ドルでも2.8% 上昇した。株価が下げたことで、日本の投資家による国外の高利回り資 産の買いが後退するとの観測が背景となった。日本の政策金利が0.1% であるのに対し、韓国は同2%、オーストラリアは同3.25%となって いる。

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