日本株(終了)大幅続落、米銀業績や自動車再建警戒-金融や輸出主導

東京株式相場は大幅続落し、日経 平均株価は3営業日ぶりに心理的節目である8500円を下回った。米銀 行の業績や米自動車大手の支援計画に対する警戒から金融株や輸出関連 株を中心に売り込まれた。信用リスクへの警戒感が根強く、不動産業指 数は東証1部の業種別下落率で首位。

農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長による と、「株価水準が高くなってきたことにより、4月以降の相場の方向性 が見えにくくなっている」という。また中村氏は、米自動車業界の動向 について「最終的にどのような形になるか不透明で影響が読みづらく、 株価に織り込んでいない面がある」との認識を示した。

日経平均株価の終値は前週末比390円89銭(4.5%)安の8236 円8銭、TOPIXは34.99ポイント(4.2%)安の789.54。TOP IXは5営業日ぶりの800ポイント割れ。

午後に下げ加速、2カ月半ぶりの下落率

短期過熱感が広がっていた中で信用警戒への動きも強まり、この日 の日本株はじり安展開となった。午後に入って米自動車業界の再建への 不透明感が強まると、24時間取引の米S&P500種指数先物が下げ拡 大、為替市場では円高進行が加速し、これを受けて株価指数は一段安。 新年度相場に対する需給不安も根強く、下値を拾う動きも限定的だった。 日経平均の下落率は2カ月半ぶりの大きさとなった。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)の最 高経営責任者はともに、3月の業績状況は1、2月に比べて厳しいと発 言した。東海東京証券の倉持宏朗エクイティ部部長(株式トレーディン グ業務統括)によれば、「米金融トップの発言を受け、ストレステスト (健全性審査)の内容を見極めたいとのムードがある」という。

一方、米オバマ政権当局者は、米自動車メーカーのゼネラル・モー ターズ(GM)とクライスラーに対し、追加支援を正当化するには再建 計画を全面的に修正する必要があるとの認識を示した。最終的には破産 法の適用申請が最善策となる可能性も明らかにしている。

「需給は良くなったが、相場の基調が良くなったとは思えない」と、 T&Dアセットマネジメントの天野尚一運用統括部長。経済情勢は依然 として弱いとの見方が支配的だが、対策効果や在庫調整期待を先取りす る形で株価はこのところ急速に戻していた。日経平均は前週末段階で1 月上旬来の高値水準に達していただけに、金融業界や自動車業界に対す る悪材料にも反応しやすかった面もある。

東証1部の売買高は概算で21億9106万株、売買代金は同1兆 4099億円。売買代金は先週の1日当たり平均を5.2%下回った。

テクニカル面で過熱感、鉱工業生産

下げ幅が大きくなった背景には、相場の短期的な過熱感があった。 投資家の心理状況を表す東証1部の騰落レシオは26日には121%まで 上昇し、27日は119%となお高水準。経験的には120%以上が「過熱 気味」とされ、「中期的には投資タイミングにあるが、上げの勢いが速 過ぎる」(楽天証券経済研究所の大島和隆チーフストラテジスト)との 指摘が出ていた。3月に入ってから27日までのTOPIXの上昇率上 位はその他金融、証券・商品先物取引、不動産などで、きょうはこれら の下げが大きかった。

一方、朝方発表された2月の鉱工業生産は、前月比でマイナス

9.4%(前回はマイナス10.2%)となった。ブルームバーグ・ニュー スの事前調査では、前月比でマイナス9.1%が予想されていた。3月の 製造工業生産予測調査はプラス2.9%、4月はプラス3.1%。「生産の ボトムアウト期待はあるが、最終需要が戻らなければ、腰折れの可能性 は残る」(農林中金全共連アセットの中村氏)という。

みずほFGが急落、ニトリは大幅高

東証1部の値上がり銘柄数は259、値下がりは1358。個別では、 みずほフィナンシャルグループが急落し、終値で9営業日ぶりに200 円割れ。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を格下げしたことも悪 材料となった。米経済誌バロンズが半導体市況の先行きに疑問を呈し、 NECエレクトロニクスや三益半導体工業、エルピーダメモリなど半導 体関連も大幅安。マンションや戸建不動産販売・仲介のアゼルは30日、 破産手続き開始の申し立てを決議し、終日売買停止となった。

半面、11期連続最高益更新の見込みで、野村証券金融経済研究所 が格上げしたニトリは大幅高。日本政府や中国の環境政策への期待感か ら、FDKや古河スカイなど太陽電池やハイブリッド車などに関係する 環境関連株の一角は急伸した。

新興3市場は反落

国内新興市場は反落。ジャスダック指数の終値は前週末比0.19ポ イント(0.5%)安の41.14、東証マザーズ指数は1.59ポイント (0.5%)安の308.46とそれぞれ続落。大証ヘラクレス指数は1.23 ポイント(0.3%)安の471.78と3日ぶり反落。

個別では、31日から特売品を扱うサイトで「最低価格保証」サー ビスを開始する、と30日付の日本経済新聞朝刊が報じたネットプライ スが値幅制限いっぱいのストップ高。2012年満期のユーロ円建転換社 債型新株予約権付社債の買い入れによって、社債償還益として98.7億 円を計上する見込みのフィンテック グローバルは6連騰となった。

半面、09年3月期の単独経常損益は一転して赤字に転落する見込 み、と28日付の日経新聞朝刊が伝えたエノテカは大幅安。売買代金上 位では楽天、セブン銀行、ミクシィ、ACCESSなどが安い。

--共同取材:近藤 雅岐 Editor:Shintaro Inkyo

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