債券は堅調、株安で先物が朝安後に戻す-新年度の買いを期待(終了)

債券相場は堅調(利回りは低下)。 米株相場反落を受けて国内株価も下落するなか、先物相場は朝安後に切 り返す展開となった。また新発10年債利回りが約1カ月半ぶりの水準 まで上昇し、新年度入り後には買いが先行しやすいとの指摘もあった。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、株高などを 背景に先週は景気にそこはかとない明るさが広がったが、きょうにかぎ っては予想以上に株価がもろかったといい、「今週は10年債入札があ ってもそれほど金利は上がらないのではないか」とみていた。

東京先物市場の中心限月6月物は前週末比15銭安い138円6銭 で始まり、中心限月として昨年11月14日以来の安値圏に続落した。 しかし、株安などを手がかりに日中はプラス圏での推移が続き、午後に は一時18銭高の138円39銭まで上昇。取引終盤に伸び悩んだが結局 は9銭高の138円30銭で引けた。売買高は1兆3283億円。

先物相場は前週後半にかけて市場予想以上に下振れたものの、相 場の下落過程でいったんは売りが一巡したとの見方が有力。RBS証券 の市川達夫シニアストラテジストは、海外ファンドが株先売り・債先買 いの持ち高を手仕舞うなどしたため、先物6月物の未決済残高である建 玉が前週に6000枚近く減ったことに着目し、「先物の売り手が乏しく なったのは確か」との見方を示した。

米株相場が前週末に業績懸念から銀行株中心に反落しており、こ の日の日経平均株価が大きく水準を切り下げたことも債券相場を支えた もよう。市場では、「きょうは鉱工業生産予測指数のプラス転換で売ら れる展開も想定したが、株安や月末の年限長期化入れ替えへの需要期待 から底堅かった」(大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2 グループリーダー)との指摘があった。

新発10年債利回りは1.325%

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは、前週末比1ベー シスポイント(bp)低い1.32%で始まり、その後は1.32-1.325%での 小動きが続いた。

RBS証の市川氏は、現行水準では大手銀などに含み益はなく、 新年度のスタートは残高積み増しを選択しやすいとみており、「先週か らの金利上昇でかえって買いやすさが出たのではないか」という。

実際、4月に入っても注目イベントが目白押しであるものの、一 方で新年度には売りにくさが広がるとも指摘される。バークレイズ・キ ャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジストは、補正予算編成に伴 う需給悪化の懸念は強いとしながらも、「すでに1-3月に利益確定売 りを出した向きが多く、なおかつ金利もそれほど下がらなかったとあっ て、期初にかけては売りから入りにくいのではないか」との読みだ。

生産予測指数は3、4月とも上昇

朝方に発表された2月の鉱工業生産は前月比9.4%低下し、一方 で製造工業生産予測指数は3月に同2.9%上昇、4月は同3.1%上昇と の見通しが示された。バークレイズ・キャピタル証の森田氏は、2月の 落ち込みはほぼ予想通りだったとし、「3、4月の予測がプラスとなっ たことで、2四半期続いた急激な生産調整にめどがつきそうとの見方に つながる」と指摘した。

もっとも、先行きに不確実性が残るなかで債券を積極的に売る材 料とはならなかった。岡三アセットマネジメントの山田氏はとりあえず 3、4月の予測指数はプラスだったが、これまで予想対比でみて実現率 が低かったこともあり、「先週から見え始めた明るいセンチメントが持 続する保証はない」との見方を示した。

--共同取材 関根裕之、曽宮一恵 Editor:Hidenori Yamanaka, Norihiko Kosaka

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