米GM:ワゴナーCEOが退任-大統領の作業部会が「不信任」(2)

米自動車大手ゼネラル・モーター ズ(GM)のリック・ワゴナー最高経営責任者(CEO、56)が退任 することになった。オバマ米大統領の作業部会は、8年余りCEOの 座にあった同氏では、GMを救うことができないと判断した。

ワゴナーCEOは米政権の退任要請を受け入れたことを明らかに した。フリッツ・ヘンダーソン最高業務責任者(COO、49)が後任 CEOとなり、会長職はケント・クレサ取締役(71)が引き継ぐ。G Mは166億ドル(1兆6100億円)規模の新たな融資を米政府に求めて いた。当初の融資134億ドルを既に受けている。

ニューヨークのコンサルティング会社、カセサ・シャピロ・グル ープのマネジングパートナー、ジョン・カセサ氏は「変化の証拠なし に高額の小切手を切るのは政府にとって難しい」と指摘した上で、ワ ゴナー氏の退任を求めたことで「政府は他の当事者にも犠牲を求める 道義的な権利を得る」と解説した。

30日のドイツ市場での取引でGM株は一時、前週末比0.57ユー ロ(21%)安の2.15ユーロを付けた。フランクフルト時間午前10時 18分(日本時間午後5時18分)現在は15%安で取引されている。

ワゴナー氏は2000年6月にGMのCEOに就任。最近4年間は 計820億ドルの赤字を出しながらも生き延びてきた。06年にはルノ ー・日産自動車連合との提携を勧める資産家カーク・カーコリアン氏 の案を退け、今年初めには、自動車メーカー世界一の座をトヨタ自動 車に明け渡した。

ここ5カ月間はCEOにとどまりながら米政府からの支援を得よ うと奮戦してきた。報酬は年1ドルとなり社用機などの特典を奪われ たものの、強制されない限り辞任はしないとしていた。そして3月 27日、GMの将来についての米議会の初回公聴会から129日後、退 任の要請は来た。

退任要請

ワゴナーCEOは声明で、「27日に政権幹部と会談するためにワ シントンにいた。その会合で、『退任』を求められたので、従った」と 経緯を説明した。

最高財務責任者(CFO)だったヘンダーソン氏は1年前に、ワ ゴナー氏によってCOOに起用された。CFO就任の前にはGMの欧 州やアジア事業で活躍した。

オバマ大統領は30日中にGMに関する方針を公表する。GMは より抜本的な再編と変化に向けた具体案を示すために60日間を与え られる。

ワゴナーCEOは前政権が昨年12月19日に発表した当初の救済 の条件を満たすべく努力してきた。オバマ大統領の作業部会は、負債 を圧縮し存続を可能にするための債務再編について債券保有者の支持 を得られなかったことを、別の計画が必要との判断した理由の1つに 挙げている。政権当局者は、政府が今後、一段の負債圧縮を求める方 針だと述べた。

ワゴナーCEOは19日にインタビューに答えた時点では、GM 立て直しの「見通しが立ち軌道に乗るまで、そしてさらのその先まで、 GMにとどまるつもりだ」と語っていた。

ガソリンと電気を併用して走るハイブリッド車の開発の遅れや、 ピックアップトラックやスポーツ型多目的車(SUV)重視の品ぞろ えへの固執が、ワゴナー氏の転落への第一歩となった。

ヘンダーソン氏はCFOとして、金融部門だったGMACの過半 数株売却を手掛けたほか、元子会社の部品メーカーで、破たんしたデ ルファイでの労使合意にも尽力した。クレサ氏は米防衛大手ノースロ ップ・グラマンのCEOのほか、クライスラーの取締役を務めた経験 もある。

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