東京外為:円急伸、株安で買い戻し加速-自動車大手の破たん懸念浮上

午後の東京外国為替市場では円が 急伸。経営難に陥っている米自動車大手の追加支援問題について、米政 府当局が破産法申請の可能性に言及したことが嫌気されており、株価下 落を背景にリスク削減の動きから、これまでユーロなど相対的に金利の 高い通貨に振り向けていた資金を円に戻す動きが活発化した。

円は対ユーロで1ユーロ=129円ちょうどを突破し、一時、128円 29銭まで上昇。128円台を付けるのは今月19日以来、約1週間半ぶり で、週後半に欧州中央銀行(ECB)の定例理事会を控えて、一段の金 融緩和の思惑が高まっていることも対ユーロでの円買いを後押しした。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、「米自動 車業界が最終局面でつぶれるのではないかという懸念が出ている」と説 明。米株価指数先物をはじめ、日本株やアジア株も下げており、「この ところ株価もずっと上がっていてムードが良かっただけに、その反動で リスク回避的な発想になっている」と指摘する。

円は対ドルでも一時、1ドル=97円4銭まで上昇。午前に付けた 日中安値(98円32銭)からは1円以上円高が進んだ。

米自動車大手の追加支援問題

米オバマ政権当局者は、米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ (GM)とクライスラーが政府からの追加支援を正当化するには、再建 計画を全面的に修正し、一段の譲歩を示さねばならないとの認識を示し た。また最終的には、破産法の適用申請が最善策となる可能性も明らか にした。

米政権はGMのリック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)に辞任 を要請。オバマ大統領がホワイトハウスで30日発表する内容によれば、 GMはまた、取締役の大半を刷新し、燃費の良い自動車生産に主軸を置 く必要がある。

オバマ大統領の発表前だとして匿名で語った当局者によれば、クラ イスラーはイタリアの同業フィアットと向こう30日間で提携を完了で きた場合に限って60億ドル(約5800億円)の支援を得る。単独では存 続不可能のため、フィアットと提携できない場合、追加支援は得られな いという。

米自動車大手の再建問題の先行き不透明感が広がるなか、24時間 取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム)では、米S&P500種 指数先物が一時、基準価格比1.7%安まで下落。東京株式相場も午後の 取引で一段安となっている。

ユーロ、対ドルで一時1.3200ドル割れ

一方、対円でのユーロ下落を背景に、ユーロは対ドルでも下げ幅を 拡大。一時、1ユーロ=1.3197ドルを付け、今月18日以来の安値を更 新している。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 ECBは今週、現行1.5%の政策金利を0.5ポイント引き下げる見通 し。また、先週末に発表された3月のドイツの消費者物価指数が1999 年6月以来の低水準となるなど域内景気の悪化が深まるなか、市場で はECBが米英に続いて国債の購入など量的緩和に踏み切るのでは ないかとの思惑が出ている。

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