東京外為:ユーロが安値圏もみ合い、ECBの量的緩和思惑が上値圧迫

午前の東京外国為替市場ではユ ーロが対ドルで約1週間半ぶりの安値圏でもみ合った。先週末発表 された欧州経済指標が予想を下回り、ユーロ圏の景気悪化が浮き彫 りとなるなか、週後半に欧州中央銀行(ECB)の定例理事会を控 えて、一段の金融緩和の思惑がユーロの上値を抑えた。

また、前週末の米国株に続き、日本株も下落するなか、投資家 のリスク許容度低下が意識されやすく、ゼロ金利に近い円やドルか ら欧州通貨や資源国通貨にシフトしていた資金を巻き戻す動きも警 戒された。

ユーロ・ドルは早朝の取引で一時、1ユーロ=1.3210ドルまで ユーロ売りが先行。今月18日以来の安値を更新し、その後は1.32 ドル台半ばから後半でのもみ合いとなった。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替本部長の斉藤裕司氏は、4 月2日開催のECB会合について、「0.5%の利下げはすでに織り込 み済み」とした上で、財政規律が厳しく、景気の下支えを金融政策 に頼らざるを得ないなか、「長期債の買い入れも言われ始めており、 ユーロのもう一段の下げはあり得る」とみている。

一方、ECB会合以外にも、今週は日本の企業短期経済観測調 査(日銀短観)や米国の雇用統計など日米の主要経済指標の発表が 相次ぐほか、4月2日の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミ ット)開催など、注目材料が目白押しだ。

斉藤氏は、日銀短観は1975年以来の水準への悪化が見込まれて おり、円売りにつながりやすいと予想。また、「金融サミットでは 日米欧、新興国で経済対策がうまくまとまるかが焦点となるが、今 のところあまり良い結果が出そうにないというのがコンセンサス」 といい、悪材料が多いなかで「どの通貨が一番売られるかを見極め る週になる」とみている。

ECBの量的緩和思惑

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査による と、ECBは今週、現行1.5%の政策金利を0.5ポイント引き下げ る見通しだ。

また、先週末に発表された3月のドイツの消費者物価指数(速 報値)が1999年6月以来の低水準となり、1月のユーロ圏鉱工業新 規受注も統計が開始された96年以来の落ち込みを記録。経済指標の 悪化が目立つなか、市場では「ECBがFRB(米連邦準備制度理 事会)に追随するかたちで国債の買い取りを表明するのではないか という思惑が生じやすい」(東海東京証券金融市場部の二瓶洋トレ ーディンググループマネージャー)。

こうしたなか、先週末にはユーロが対円で一時、1ユーロ=129 円39銭と今月20日以来の安値へ下落。週明け早朝の取引でもユー ロは上値の重い展開が続いており、一時は129円46銭までユーロ売 りが先行する場面も見られている。

ドル・円相場

ドルは対円で1ドル=98円台前半から97円台後半まで下落。 朝方発表された日本の2月の鉱工業生産指数速報値は前月比9.4% 低下と事前予想(同9.1%低下)を下回ったが、あすに年度末を控 えて動きづらい状況のなか、新たに円を売る動きは見られなかった。

ソシエテ・ジェネラル銀の斉藤氏は、今週のドル・円相場につ いて、基本的には95円から100円のレンジを予想。ただ、日米の主 要経済指標や金融サミットなど注目イベントが目白押しであるため、 「ボラタイルな(変動の激しい)相場のなか、瞬間的にどちらにも 抜ける可能性はある」とみている。

金融サミット

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、オンライン版)が29 日伝えたところによると、今週ロンドンで開催される金融サミット の声明草案は、世界経済が2010年末までに成長を回復するとの見通 しを示している。同紙によると、G20は通貨の「切り下げ競争」を 回避すると宣言。また、保護主義に反対する立場をあらためて表明 するとともに、金融安定化フォーラム(FSF)をG20の全参加国・ 地域に拡大して金融安定化委員会に改称し、ヘッジファンドの規制 に当たらせることを求める。

一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版) は29日、金融サミットでは、米当局者が景気刺激のための財政出動 の目標を重視する姿勢を後退させ、代わりにタックスヘイブン(租 税回避地)に関する新規則や世界的な金融規制の協調に重点を置く 方針だと伝えている。

--共同取材 曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Norihiko Kosaka

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