景気後退が米穀物を直撃-トウモロコシ31%、大豆28%下落か

米国の大豆の作付面積が過去最高 水準に拡大するとみられ、トウモロコシの需要は後退している。この ため、相場は2年余ぶりの安値まで下落するとの見方が広がっている。

わずか1年前には、穀物価格が過去最高値に達し、エジプトで暴 動が発生、アルゼンチンでは食料が不足していた。ブルームバーグ・ ニュースが先週、アナリストやトレーダー24人を対象に実施した調査 によると、米国の穀物の作付面積は今年、1億6370万エーカーに達す るとみられている。

アナリストらは、大豆の作付面積が4.5%増加すると予想。一方、 トウモロコシは1.5%減少するとみており、リセッション(景気後退) の影響で飼料や乳製品、エタノールのメーカーが購入を減らしている ため、3月時点の在庫は20年ぶりの高水準になったと見込んでいる。

ブローカー、A/Cトレーディング(インディアナ州)のジム・ ジェルラック社長は「例年にない気象条件とならない限り、世界の需 要を上回る生産態勢は既に動き出している」と指摘する。

コモディティ・インフォメーション・システムズのビル・ゲーリ ー社長(68)によると、大豆の現物価格は今年、28%下落し、2007年 4月以来の1ブッシェル当たり6.50ドル割れになると予想される。ト ウモロコシは31%下げて同2.50ドルを下回り、06年10月以来の安値 になるとみられる。同氏は1961年から穀物を取引している。

ゲーリー社長は26日、オクラホマシティーからの電話インタビュ ーで「今回のリセッションは70年代の時よりずっと長く続き」、原材 料需要の減退につながると予想。「向こう数年間、商品相場で主要な強 気の動きが見られることはないだろう」と語る。同社長は昨年7月、 信用収縮による相場下落を予測した。

農家の所得減少

穀物相場の下落に伴い、過去2年間にわたって過去最高水準の利 益を上げていた米国の農業経営者の所得が減少する可能性がある。農 家の売上高は昨年、3675億ドル(約36兆円)に達した。所得が減少 すれば、農家は、トウモロコシの種子などを販売する米モンサントや、 カナダの肥料メーカー、アグリウム、農業機械メーカーの米ディーア などの製品の購入を減らす恐れがある。米農務省(USDA)は先月、 農家の09年の純利益が712億ドルと、08年の893億ドルから約20% 減少するとの見通しを示した。

ウェルズ・ファーゴ(ミネアポリス)の農業担当シニアエコノミ スト、マイケル・スワンソン氏は「農家の所得は減少するほかない」 と指摘。「小麦や大豆、綿花はこれ以上必要なく、トウモロコシ在庫も 需要の減少に応じた量になるべきだ」との見方を示す。

イリノイ大学の調査によると、農家が大豆の作付けを増やすのは、 栽培コストがトウモロコシと比較して約32%低いからだ。市場調査会 社のインフォーマ・エコノミクス(テネシー州)は13日、顧客に対し、 これまでで初めて大豆の作付面積がトウモロコシを上回る可能性があ るとの見方を示した。

ブルームバーグがアナリストを対象に実施した調査の平均値によ ると、大豆の09年の作付面積は7911万エーカーと、08年の7572万 エーカーから増加すると予想されている。

トウモロコシの作付けを削減

大豆の作付けを増やすため、農家はトウモロコシの作付けを減ら す可能性が高い。ブルームバーグの調査によると、トウモロコシの09 年の作付面積は8470万エーカーと、08年のほぼ8600万エーカーから 減少する見通し。トウモロコシの3月初め時点の在庫は70億1200万 ブッシェルと、前年同期比2.2%増となり、この時期としては1988年 以来の高水準に達したとみられている。

USDAは31日、2月27日から3月16日にかけて約8万6000 戸の生産者を対象に実施した調査を基に、今年初の作付け意向面積を 発表する。農家の実際の作付面積は、USDAの6月の発表で明らか になる見通しだ。

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