日本株は続落、米銀不安で金融や輸出が下げ主導-信用警戒で不動産も

午前の東京株式相場はじり安とな り、株価指数は続落した。米銀行の業績不安が景気に与える影響が警戒 視され、銀行など金融株や輸出関連株が相場全体の下げを主導。信用リ スクへの警戒感が強く、不動産株も安い。

T&Dアセットマネジメントの天野尚一運用統括部長は、「需給は 良くなったが、相場の基調が良くなったとは思えない」と指摘。経済の ファンダメンタルズは依然として非常に弱く、「先を見ても明るい展望 はまだ描けない」と話している。

日経平均株価の午前終値は前週末比151円91銭(1.8%)安の 8475円6銭、TOPIXは15.91ポイント(1.9%)安の808.62。日 経平均は心理的節目である8500円を2営業日ぶりに下回り、午前の安 値引けとなった。売買高は9億1363万株、売買代金は5679億円。

騰落レシオは過熱圏示唆

相場の戻りピッチが速く、短期過熱感が広がっていた中で信用警戒 への動きが強まった。投資家の心理状況を表す東証1部の騰落レシオは 26日には121%まで上昇し、27日は119%となお高水準。経験的には 120%以上が「過熱気味」とされている上、4月からの新年度に対する 需給懸念もあり、売買低調で買い上がる向きは限定的だった。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)の最 高経営責任者はともに、3月の業績状況は1、2月に比べて厳しいと発 言した。東海東京証券の倉持宏朗エクイティ部部長(株式トレーディン グ業務統括)によれば、「米金融トップの発言を受け、ストレステスト (健全性審査)の内容を見極めたいとのムードがある」という。東証1 部の売買代金1位で、6%安と下げの目立ったみずほフィナンシャルグ ループについては、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「売り」 へ引き下げる材料もあった。

不動産株も軟調。マンションや戸建不動産販売・仲介のアゼルは 30日、破産手続き開始の申し立てを決議した。3月に入ってから先週 末までの不動産業指数の上昇率は24%で、同期間のTOPIXの9% を大きく上回る。「首都圏のオフィス需要が引き潮気味な上、資金も十 分についていないこともあり、不動産市況回復のめどはいまだに見えな い」と、T&Dアセットの天野氏は指摘している。

3月指標の方向性注視

一方、朝方発表された2月の鉱工業生産は、前月比でマイナス

9.4%(前回はマイナス10.2%)となった。ブルームバーグ・ニュー スの事前調査では、前月比でマイナス9.1%が予想されていた。3月の 製造工業生産予測調査はプラス2.9%、4月はプラス3.1%。

市場では、「2月の鉱工業生産は予想より悪かったが、先行きが改 善したことで相場への影響は相殺された」(立花証券の平野憲一執行 役)との声が聞かれた。平野氏は、国内外の3月指標の行方が今後の相 場の方向性を決めると予想。今週は、米国で3月の供給管理協会(IS M)の製造業景況指数や雇用統計などの発表が予定されている。

武富士や日東電が安い、環境関連は急伸

東証1部の値上がり銘柄数は591、値下がりは988。個別では、業 績予想を引き下げた日東電工、米格付け会社ムーディーズが27日に格 付けを「Baa2」へ格下げすると発表した武富士がそろって大幅続落。 運賃市況の下落が嫌気され、川崎汽船や商船三井なども下げが大きくな った。大和総研が「リファイナンスリスクは減じたものの、払しょくに は至らず」と指摘したラウンドワンは続落。

半面、日本板硝子やジーエス・ユアサ コーポレーション、FDK、 古河スカイなど太陽電池やハイブリッド車などに関係する環境関連株の 一角は急伸した。日本政府が4月にまとめる経済成長戦略では低炭素革 命に向けた取り組みが強化される、と28日付の日本経済新聞朝刊が報 道。中国の太陽光発電プロジェクトへの補助金期待も追い風となった。 11期連続最高益更新の見込みで、野村証券金融経済研究所が格上げし たニトリは大幅高。

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