北越紙株が反落、紀州紙の買収効果を見極めへ-生産ライン停止で減損

国内製紙業界6位の北越製紙の株価 が7営業日ぶりに反落。同業10位の紀州製紙を株式交換で買収すると発 表したが、買収額が業界平均を若干上回ったため、統合効果を見極めた いとの見方が広がった。生産ラインの停止で減損損失が発生することも 発表され、株価は一時、前週末比4.4%安の433円まで値下がりした。

北越紙が27日に公表した紀州紙の完全子会社化計画によると、新会 社名は「北越紀州製紙」で、両社単純合算売上高は2200億円前後になる 見込み。紀州紙は書籍やパンフレットに使う特殊な高級紙に強みを持ち、 年30万トン前後の生産能力を有する。株式交換では、紀州紙1株に対し て北越紙株0.195株を割り当てる予定。

野村金融経済研究所の河野孝臣アナリストによると、同買収観測が 出る前の3月26日の北越紙の終値440円で算出した紀州紙の買収株価評 価は85円80銭。「09年3月期予想ベースのEV/EBITDA倍率(企業の将 来価値と現在価値を比較検討する指標)は8倍強と、国内製紙メーカー の平均を若干上回る」(同氏)という。

紀州紙の場合、このところ営業赤字が続いているうえ、09年3月期 は特別損失などの計上で54億円の最終赤字となる見込み。このため、河 野氏は「当買収を評価するためには事業統合によるさらなる合理化効果 の実現が必要」(30日付のフラッシュレポート)と指摘する。

両社は経営統合に先立ち、北越紙が5-10月にかけて、長岡工場(新 潟県)の2つの生産ラインと、関東工場市川(千葉県)の1ラインの稼 働を停止し、紀州紙は12月に大阪工場(大阪府)の2ラインを停止する。 北越紙は生産見直しに伴い減損処理を行う予定で、約20億円の特別損失 が発生する。

紀州紙の午前10時10分現在の株価は前週末比27円(23%)安の 88円。27日に30円(35%)高の115円ストップ高(制限値幅いっぱい の上昇)まで買われた反動が出た。ただ出来高は162万株に膨らんだ。

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