米株有力投資家、S&P500種を上回る運用成績-景気やM&A材料に

米国の昨年10-12月期の成長率が マイナス6.3%と、1982年以降最悪の落ち込みを示すなか、今年の運 用成績が好調な投資家の間では、景気敏感株やM&A(合併・買収) 関連株を積極的に買う動きが見られている。

ライバル全体の94%を上回る運用成績を上げたINGグループ のファンドマネジャー、ウリ・ランデスマン氏は、時価総額ベースで 世界最大の自動車部品メーカー、デンソーに投資。J&Wセリグマン のポール・ウィック氏は、景気回復に伴うテクノロジー業界のM&A (合併・買収)加速を見越した投資戦略を取り、S&P500種株価指 数を上回る成績を記録している。

全米経済研究所(NBER)とブルームバーグの集計データによ ると、1975、82、91年に終了したリセッション(景気後退)では、平 均でリセッション終了の5カ月後にS&P500種の上昇が始まった。

S&P500種は今年、過去最悪の滑り出しになったものの、3月 は月間ベースで17年ぶりの大幅高を記録。年初来騰落率はマイナス

9.7%に改善した。

S&P500種が2007年10月に記録した最高値から57%下落し、 世界全体の株式時価総額が37兆ドル目減りしたことが、投資家に新た な投資機会を提供した。

今年の株式相場は全面安で幕を開けた。ゼネラル・モーターズ(G M)やゼネラル・エレクトリック(GE)などさまざまな企業の資金 繰りに対する懸念が強まったことや、世界の大手金融機関の損失・評 価損が1兆2700億ドルに達し、投資家信頼感が失われたことが背景に あった。ダウ工業株平均株価は3月9日に1997年以来の安値に下落。 MSCI世界株指数も業種別10指数の年初来騰落率が軒並み15%以 上の下げとなった。

しかしその後は、シティグループ、JPモルガン・チェース、バ ンク・オブ・アメリカ(BOA)が1-2月に黒字を計上したと相次 ぎ発表。米連邦準備制度理事会(FRB)は3月18日、金利引き下げ の取り組みとして計1兆ドル超の米国債と住宅ローン担保証券(MB S)を購入する計画を明らかにした。さらに23日にはガイトナー財務 長官が、最大1兆ドル規模の不良資産買い取り計画を発表した。

住宅市場

米国株は先週も上昇。2月の新築・中古住宅販売件数が予想に反 して増加したことや、30年物住宅ローン固定金利が4.63%と、全米抵 当貸付銀行協会(MBA)が集計を始めた1990年以降の最低水準に低 下したことが好感された。MBAが25日発表した20終了週の住宅ロ ーン申請指数も前週に比べ32%上昇した。

ダウ工業株平均は、3日の日中安値から26日の日中高値までの上 昇率が20%を上回り、いわゆる強気相場入りを達成。先週末の終値は

7776.18ドルだった。S&P500種は815.94ポイント。

インベストメント・カンパニー・インスティチュートの集計によ ると、資産残高が今月に入って3兆9100億ドルと、史上3番目の高水 準に達していたマネーマーケットファンド(MMF)からは、過去2 週間で500億ドルが流出した。

インベステック・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 フィリップ・ロドリグズ氏は「現在のセンチメントが極端に弱気にな っていることには驚かされる。私は景気動向に敏感に反応しやすい銘 柄に投資資金を移している」と語った。

M&Aの復活

J&Wセリグマンのウィック氏は、景気回復に伴ってM&Aが加 速するとみて、買収ターゲットになると予想するテクノロジー銘柄を 物色している。ブルームバーグの集計データによると、米国のM&A (全業種)の規模は今年これまでに計1781億ドルと、前年同期を12% 上回っている。

今月に入ってコンピューターサービス世界最大手のIBMがサー バーコンピューター4位のサン・マイクロシステムズ買収に向けて協 議を開始したことも、M&Aをめぐる観測に拍車をかけた。

ウィック氏は、ネットワーク機器最大手オラクルのライバル企業 であるネットアップの株式を買い進めているという。

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