東京外為:円が午後反発、株伸び悩みでリスク回避姿勢を警戒

東京外国為替市場では、午後の取 引で円が強含みに転じた。日本株が午後に急速に伸び悩む展開となっ たことから、再び投資家のリスク回避姿勢が警戒され、円の買い戻し に圧力がかかった。

大和証券SMBC金融市場調査部の長崎能英チーフFXストラテ ジストは、円相場は素直に株価動向に反応する展開となっており、日 本株の伸び悩みを背景に円売りの勢いが鈍化したと指摘。来週の20カ 国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)に向けて、米政府の不良 資産買い取り計画を受けて強まった楽観論が持続するかが焦点だとし て、「円が売られやすい状況」が続くかを見極めたいとしている。

ドル・円相場は前日の米株続伸を背景とした円売りの流れを引き 継ぎ、朝方に一時1ドル=98円87銭と、17日以来、8営業日ぶりの水 準まで円安が進行。その後は年度末に絡んだ国内輸出企業のドル売 り・円買い需要などが観測され、98円台前半に値を戻してもみ合って いたが、午後の取引では97円71銭まで円が水準を切り上げている。

ユーロ・円相場は、午前の取引で1ユーロ=133円86銭まで円が 下押される場面も見られたが、午後の取引では一時132円68銭まで値 を戻した。

この日は年度末日のスポット取引(直物取引、2営業日後に決 済)の応答日にあたることから、ドルが対円で上昇した局面では、輸 出企業を中心としたドル売り需要が観測され、「多少なりともドルの 上値を抑える要因になる」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為 替部・久保信明バイスプレジデント)との指摘が聞かれていた。

株価伸び悩み

この日の東京市場では、日経平均株価が米景気の底入れ期待など を背景に午前の取引では上げ幅が一時200円を超える場面もあった が、午後は伸び悩み。結局、小幅ながら反落して取引を終えた。

前日に発表された昨年10-12月期の米実質国内総生産(GDP、 季節調整済み、年率)確定値は改定値から下方修正されたものの、市 場で予想されていたほどの修正とはならなかった。

ただ、21日に終わった1週間の米新規失業保険申請件数(季節調 整済み)は、前週比8000件増加し65万2000件と、市場予想の65万件を 上回っている。継続受給者数は12万2000人急増し、556万人と、前週 に続いて過去最多記録を更新している。

オバマ米大統領は26日、景気回復が本格化する前に企業がさらに 人員を削減する可能性が高く、海外に移転した雇用の一部は米国には 戻りそうにないとの見方を示している。

来週4月3日には米国で3月の雇用統計が発表される。雇用情勢 に不安が残るなか、米国の株価指数先物がアジア時間にマイナスで推 移しており、株の持続的な上昇には懐疑的な見方もくすぶっているよ うだ。

ECBの金融緩和観測

半面、来週4月2日には欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定 会合が控えている。パパデモス副総裁は26日、同中銀が市中銀行に、 現在よりも長期の資金を供給する可能性があると発言しており、金融 緩和観測を背景にユーロの上値も抑えられる可能性も残る。

ECBの政策委員会メンバーで、オランダ中銀総裁のウェリンク 氏も、政策金利がゼロに接近した場合、ECBは非伝統的な手段を採 用することができるとの考えを示している。

ユーロ・ドル相場は、前日の取引で一時1ユーロ=1.3640ドルま でユーロが上昇したあと、1.3494ドルまで下落。この日は1.35ドル台 で推移した。

ECBのトリシェ総裁は、欧州連合(EU)の欧州議会議員の質 問に対する書簡での回答で、ユーロ圏内各国の国債のスプレッド(利 回り格差)の拡大について、「市場の異常な緊張」を反映していると の見解を示した。

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