09年度予算が成立-与党に5月総選挙論、世論見極め首相解散判断(4)

一般会計総額88兆5480億円の 2009年度予算が27日夕、成立した。麻生太郎首相には政府、与党が 検討している新たな経済対策の具体化と同年度補正予算案の早期編成が 喫緊の課題となる。

与党内では、政権交代を目指す民主党の小沢一郎代表の公設秘書が 西松建設の違法献金事件で起訴されたことを好機ととらえ、5月の衆院 総選挙論も浮上。首相は至上命題に掲げた経済回復や世論の動向などを 見極めて衆院解散の時期を判断することになりそうだ。

慶応大学大学院の曽根泰教教授は「民主党が窮地に陥っているのを 好機に、大型補正を発表した後、4月か5月に解散・総選挙ができるか どうかが試されている」と指摘。「麻生首相が勝負師なら、ここで選挙 をするチャンスであり、今が唯一のチャンスだ」と分析した。

09年度予算の一般会計総額は前年度当初比6.6%増と過去最大規 模。政策的経費の一般歳出は同9.4%増の51兆7310億円に上る。同 予算は27日、参院の予算委員会と本会議で、いずれも野党の反対多数 で否決されたが、衆参両院協議会での与野党協議を経て、衆院の議決優 先を定めた憲法の既定に基づき成立した。

また税制改正など予算関連4法案も27日午後1時からの参院本会 議で否決されたが、同日中の衆院本会議で、3分の2以上の議席を占め る与党の賛成多数で再可決、成立する見通し。

5月総選挙論は、自民党の中川秀直元幹事長が主張。中川氏は民主 党にも09年度補正予算案への協力を求めることでスピード成立を図っ た上で、麻生首相が解散に踏み切り、5月に総選挙を実施すべきだとの 立場を取る。公設秘書の起訴後も続投する意向を表明した小沢氏への世 論の反発を踏まえたものだ。

共同通信が25、26日に実施した緊急世論調査でも、麻生内閣の支 持率は7、8日の調査より7.7ポイント上昇して23.7%に回復。小沢 氏に辞任を求める意見は66.6%に達した。

小沢代表辞任論くすぶる-民主

一方、政権交代を旗印に掲げる民主党も一枚岩ではない。小沢代表 は27日昼、国会内での同党代議士会で、公設秘書の起訴について、 「ご心配とご迷惑をお掛けした。心からおわび申し上げる」と陳謝。こ れに対して小宮山洋子衆院議員は「街頭演説をしていると『新しい体制 を作ってほしい』と言う人が圧倒的に多い」と述べ、小沢氏に辞任を促 した。

また同党の小沢鋭仁衆院議員は「右往左往しないことが政権担当能 力を示すことになる」と小宮山氏に反論。鳩山由紀夫幹事長が「小沢代 表をリーダーとして政権交代の実現に向けて全力で頑張っていく姿勢を 示していただきたい」と締めくくり、続投容認でまとめた。

渡辺周衆院議員は代議士会後、記者団に対し、各種世論調査で小沢 氏の辞任を求める意見が多いことについて、「小沢代表は『国民の声を 一つの指標としたい』と言っており、客観的な数字は考慮されると思 う」と述べ、小沢代表が総選挙前に自ら辞任する可能性も否定できない との認識を示した。

麻生首相自身は26日夜、首相官邸で記者団に対し、政権運営につ いて、「政局より政策。今は経済対策が一番だ」と経済対策を優先させ る考えを強調。15日にはNHKの番組「総理に聞く」に出演し、解 散・総選挙の時期に関しては「今、5月とか6月とか、申し上げられる 段階にない」と述べるにとどめた。

--共同取材:河野敏、下土井京子  Editor:Keiichi Yamamura, Noriko Tsutsumi

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