2月のコア消費者物価は前年比横ばい-夏場にマイナス2%台に(3)

(第5段落に市場の動きを追加します)

【記者:日高 正裕】

3月27日(ブルームバーグ):2月の全国の消費者物価指数(除く 生鮮食品、コアCPI)は、エネルギー・原材料価格の下落に加え、 景気の大幅な悪化を受けて、2カ月連続で前年比横ばいとなった。コ アCPIは早晩マイナスに転じ、夏場にかけてマイナス幅は2%台に 達するとみられている。

総務省が27日発表した2月の全国コアCPIは前年同月比横ば いだった。伸び率は昨年8月のプラス2.4%から前月にはゼロ%に縮 小していた。3月の東京都区部コアCPIは同0.4%上昇と、前月(同

0.6%上昇)から伸び率が縮小した。ブルームバーグ・ニュースがまと めた予想中央値は全国コアCPIが同横ばい、東京都区部コアCPI は同0.4%上昇だった。

大和総研の熊谷亮丸シニアエコノミストは「エネルギーの物価押 し下げ寄与は足元で縮小しているものの、先行きは前年の裏の効果や 電気代の値下げなどから、2年程度は前年割れが続く見込みだ」と指 摘。マイナス幅は7-9月には2%程度まで拡大するとみている。

CPI総合指数は2月の全国が同0.1%低下、3月の東京都区部 は同0.2%上昇だった。前月はそれぞれ同横ばい、同0.5%上昇だった。 食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型コアCPI」は2月の 全国が同0.1%低下、3月の東京都区部は同0.4%低下だった。前月は それぞれ同0.2%低下、同0.1%低下だった。

統計発表後の東京外国為替市場の円の対ドル相場は午前10時35 分現在、1ドル=98円68銭。発表直前は同98円65銭近辺で推移し ていた。同時刻現在、東京株式市場の日経平均株価は前日比165円68 銭高の8802円01銭と続伸し、債券先物市場の中心限月6月物は同24 銭安の138円24銭。

需給ギャップ拡大がCPI押し下げ

12日発表された昨年10-12月の実質GDP(国内総生産)成長 率の2次速報はマイナス12.1%。内閣府によると、総需要と供給力の 乖離(かいり)を示す需給ギャップは、マイナス4.1%(約20兆円) に広がった。GDPギャップの拡大は、マクロ的な需給を緩めること でCPIを押し下げる方向に働く。

アールビーエス証券の西岡純子チーフエコノミストは「経済の需 給バランスが急速に悪化する中で、物価の基調は緩やかな低下基調に 転じている」と指摘する。3月の東京都区部の結果を踏まえると、同 月の全国コアCPIは同0.3-0.4%の下落に転じると予想する。マイ ナスになれば2007年9月以来1年6カ月ぶりとなる。8月ごろにかけ て下落幅は同2.3%前後まで拡大すると西岡氏はみている。

日銀は18日の金融政策決定会合で、金融市場の安定化策の一環と して長期国債の買入額をそれまでの月1.4兆円から1.8兆円に増額す ることを決定。17日の政策委員会では、金融危機で財務内容が悪化し た銀行の資本増強を支援するため、大手銀行など国際業務を展開する 銀行を対象に1兆円の劣後ローン供与を検討することを決めた。

日銀の次の一手は

JPモルガン証券の菅野雅明調査部長は「日銀の次の一手につい ては市場でもさまざまな観測があるが、株式の市中からの買い入れや 上場投資信託(ETF)の買い入れなど、日銀がすぐには実行できな いものも多い。日銀としては、まず劣後ローンの具体案提示で時間を 稼ぎ、何らかの新味がある具体策については、5月以降に照準を当て ているのではないだろうか」と指摘する。

ドイツ証券の山下周債券ストラテジストは「4月30日に公表され る経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、景気見通しの大幅な 下方修正は必至の状況だ。日銀の次の一手は読みづらいが、自然と利 下げ期待が高まってくるのではないか」とみている。

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