相場急騰は金融機関の先物買い戻し、信託銀は売り転換-第3週日本株

株式相場の急上昇の要因は、国内の 金融機関の先物買い戻しだった。東京証券取引所によると、3月第3週 (16-19日)に最も買い越したのは、裁定買いに伴う自己部門だった。 裁定業者は金融機関の買い戻しで割高になった先物を売る一方、割安な 現物株を買い、相場を押し上げている。

第3週の日経平均株価は前の週比376円68銭(5%)高の7945円 96銭で終了。3月10日の7054円(終値ベース)をことしの安値に、急 速に戻している。信託銀行は年初から3月第2週まで10週連続で計2兆 3000億円買い越していたため、市場では公的資金の買いが相場を押し上 げていたとの声が多かったが、この週のけん引役は証券自己だった。

東証が26日発表した第3週の投資部門別売買動向(東京、大阪、名 古屋3市場の1・2部合計)によると、自己部門の買越額は1524億円と、 2008年10月第1週(1693億円)以来の大きさだった。東海東京証券の 鈴木誠一マーケットアナリストは、自己の買い越しは「金融機関の先物 の買い戻しに絡んだ裁定業者の現物買いによるもの」と指摘する。

同氏によると、「銀行などの金融機関はヘッジ目的で先物を売って いたが、3月決算期末を控えて買い戻しを加速している。金融機関は決 算期を越えて先物のヘッジ売りを持ち越さない傾向にある」という。大 阪証券取引所の発表では、第3週の金融機関は日経平均先物を760億円 と大幅に買い越した。買い越しは3週連続だ。

裁定残は4週連続で増加

裁定業者は、先物が理論価格より高くなれば、先物を売って割安に なった現物株を買う。東証が25日発表した、前週末19日時点の裁定取 引に関連した現物株買いのポジションは、前の週比379億円増の3741 億円と、4週連続で増加した。裁定業者が金融機関の買い戻しで高くな った先物を売り、現物株買いを進めていることが分かる。

外国人売り止まる、信託銀は売り転換

このほかの第3週の買い主体は、外国人が6000万円と、小幅ながら 10週ぶりに買い越した。投資信託(89億円)、事業法人(161億円)は 2週ぶり、その他法人(22億円)、生保・損保(18億円)、都銀・地銀 等(21億円)は2週連続で買い越し。いずれも買越額が小幅にとどまっ ており、相場を大きく動かしているのが裁定業者であることが分かる。

半面、信託銀行は11週ぶりに売り越した。売越金額は124億円。東 海東京証券の鈴木氏は、「『公的年金の買いが入っている』と、多くの 市場関係者は言っていたが、何を根拠にそう言っていたのか」と話す。 このほか、個人投資家は2週連続で売り越し。売越額は1544億円と、昨 年12月第3週(1624億円)以来の大きさとなった。

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