東京外為:円下落、株高でリスク許容度改善-政治混迷も重し

東京外国為替市場では円が下落。 米国の金融安定化策の進展期待や経済指標の改善を背景に株式相場が 堅調に推移するなか、投資家のリスク許容度が改善し、円からユーロ など相対的に金利の高い通貨に資金を振り向ける動きが出やすくなる との連想が働いた。国内政治の混迷も重しとなった

ユーロ・円は一時、1ユーロ=133円46銭まで円売りが進行。一 時は132円台前半まで値を戻す場面も見られたが、午後に平田財務副 大臣の辞任が伝わると円は下げ足を速めた。ドル・円も1ドル=97円 台でのもみ合いが続いていたが、午後には一時、98円22銭まで円売 りが進んだ。

新生銀行キャピタルマーケッツ部のキム・カンジャ次長は、株高を 背景にクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が買われる展開が続くな か、今後は「米ダウ平均が8000ドルを抜けるかどうか」がポイントにな ると指摘。「8000ドルをしっかり抜けてくれば株もかなり堅調になり、 クロス円の安心感が強まる」とみている。

一方で、キム氏は「ユーロは対円で2週間買われ続けており、節 目の135円に近づくなか、いったんは利食いのユーロ売りが出てもお かしくない」とも指摘。ユーロの調整リスクが警戒されるなか、「週 末に向けては欧州の悪材料に反応しやすくなる可能性もある」として いる。

株堅調で円とドルが弱い

25日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が一時、100ドル 超下落する場面も見られたが、取引終盤にかけて反発。金融安定化策 の前進に加え、2月の耐久財受注と米新築一戸建て住宅販売が予想に 反して増加したことも相場を支えた。

また、26日の東京株式相場は下落して始まったが、その後プラス に転じ、日経平均株価は1月9日以来、約2カ月半ぶりに終値で8600 円台を回復した。

株式相場の下値不安が弱まるなか、外国為替市場では比較的安全 な逃避先としてのドル需要が後退。また、世界同時不況のなかで日本 経済の脆弱(ぜいじゃく)さが際立っていることから円も買いづらく、 主要3通貨のなかでは「日米のように量的な信用緩和が実施されてい ないユーロが強含みやすい」(三菱東京UFJ銀行市場業務部・橋本 将司調査役)状況となっている。

ユーロ・ドルは1ユーロ=1.35ドル台でユーロがもみ合いながら も底堅く推移し、一時は1.3617ドルまでユーロが買われる場面も見ら れた。

金融安定化策の前進

ガイトナー米財務長官は26日、下院金融委員会の公聴会で、金融 規制改革案を公表し、大手ヘッジファンドとプライベートエクイティ (未公開株、PE)投資会社、デリバティブ(金融派生商品)市場に 対する監督権限を連邦政府に付与するよう議会に求める見通しだ。

同長官は、消費者や投資家の金融詐欺からの保護強化、複数の監 督機関による監視のすき間の除去、監督機関の国際協調の促進も求め る。オバマ政権の当局者によれば、それらの計画の詳細は数週間以内 に公表される見込み。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は25日に初の米国債買い 取りを開始。6カ月続く最大3000億ドルの買い取りプログラムが始動 した。

三菱東京UFJ銀の橋本氏は、週初には米国で不良資産買い取り 計画の詳細が公表され、「これまで止まっていたものがスタートとし たということが好感されている」と指摘。その上で、官民投資プログ ラムについては実際に投資家が参入し、うまく機能するかどうかを見 極める必要があり、「4月末が期限の米大手金融機関を対象とするス トレステスト(健全性審査)の結果も確認しないと、不良債権処理が 本格的に進むとは判断できない」としている。

日本の政治混迷と経済悪化

共同通信は26日、大量の保有株を市場外の相対取引で売却してい たことが明らかになった平田耕一財務副大臣が同日午後、麻生太郎首 相サイドに辞任する意向を伝えたと報じた。自民党幹部が明らかにし た。

一方、日銀は4月1日に四半期に1度の企業短期経済観測調査(短 観、3月調査)を発表するが、ブルームバーグ・ニュースの予想調査に よると、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合 を引いた業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がマイナス55と、昨 年12月の前回調査(マイナス24)から31ポイントの大幅悪化が見込ま れている。

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