東京外為:円が対ユーロで軟調、リスク選好回復で高金利通貨にシフト

午前の東京外国為替市場では円が 対ユーロで軟調。米国の金融安定化策の進展期待や経済指標の改善を 背景に株価が底堅く推移するなか、投資家のリスク許容度の改善傾向 が続くとの見方が優勢で、円からユーロなど相対的に金利の高い通貨 に資金を振り向ける動きが続いた。

ユーロ・円は1ユーロ=132円台半ばから一時、133円8銭まで円 売りが進行。これにつられてドル・円も1ドル=97円台半ばから一時、 97円93銭まで円が弱含んだ、

三菱東京UFJ銀行市場業務部の橋本将司調査役は、「このとこ ろの株価の持ち直しに表れているように投資家のリスク選好度がやや 回復するなかで、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)中心に円は じり安になっている」と説明。また、主要3通貨では「日米のように CP(コマーシャルペーパー)や国債の買い入れといった量的な信用 緩和が実施されていないユーロが強含みやすい」としている。

ユーロ・ドルは1ユーロ=1.35ドル台後半から一時、1.3617ドル までユーロ買いが進行。その後は再び1.35ドル台後半でもみ合う展開 となった。

金融安定化策の前進

オバマ政権は金融不正行為から消費者や投資家を保護するため、 新たな規則を発表する計画だ。住宅ローン市場危機の一因になった慣 行を撲滅することが狙い。ガイトナー財務長官が25日、ニューヨーク での講演で明らかにした。米政権はまた、金融機関を管理下に置いて 清算する権限を財務省と米連邦預金保険公社(FDIC)に付与する 立法措置を今週中に明らかにする。

23日にはガイトナー長官が最大1兆ドルの不良資産買い取り支 援を目指す官民投資プログラムを発表。一方、米連邦準備制度理事会 (FRB)は25日に初の米国債買い取りを開始し、6カ月続く最大 3000億ドルの買い取りプログラムが始動した。

橋本氏は、米国で不良債権処理策の具体策が公表され、「これま で止まっていたものがスタートとしたということが好感されている」 と指摘。ただ、官民投資プログラムについては実際に投資家が参入し、 うまく機能するかどうかを見極める必要があり、「4月末が期限の米 大手金融機関を対象とするストレステスト(健全性審査)の結果も確 認しないと、不良債権処理が本格的に進むとは判断できない」として いる。

株堅調で円とドルが弱い

25日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が一時、100ドル 超下落する場面も見られたが、取引終盤にかけて反発。金融安定化策 の前進に加え、2月の耐久財受注と米新築一戸建て住宅販売が予想に 反して増加したことも相場を支えた。

また、26日の東京株式相場は下落して始まったが、日経平均株価 は前日比100円近く下げた後、プラス圏に浮上。JPモルガン・チェ ース銀行為替資金本部の棚瀬順哉FXストラテジストは「各国が積極 的に緩和政策を取っているほか、米国の経済指標でポジティブサプラ イズが目立ってきているため、全般的なセンチメントにプラスに働い ている」と指摘する。

米国の金融安定化策の進展を背景に株式相場の下値不安が弱まる なか、外国為替市場では比較的安全な逃避先としてのドル需要が後退。 また、世界同時不況のなかで日本経済の脆弱(ぜいじゃく)さが際立 っていることから円も買いづらく、主要3通貨のなかでは相対的にユ ーロが底堅い展開となっている。

--共同取材 吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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