NY外為:ドル下落、ガイトナー長官のSDR拡大発言を嫌気(2)

ニューヨーク外国為替市場ではド ルがユーロに対して下落。ほぼ1週間ぶりの下げ幅となった。ガイトナ ー米財務長官が国際通貨基金(IMF)による特別引き出し権(SD R)拡大に言及したことで、ドルの基軸通貨としての役割が縮小すると の懸念が広がった。

その後、ガイトナー長官が当初の発言を補足し、ドルは「長期間に わたり世界の支配的な準備通貨としての地位にとどまる」との見解を示 すとドルは下げ渋った。

MFグローバルの通貨アナリスト、ジェシカ・ホバーセン氏(シカ ゴ在勤)は「今週はドルにとって苦しい週となっている。米政府が政策 を発表しても、政府に対する信頼に見合った効果しか得られない。政府 高官が何か発言して、その5分後にそれと矛盾することを言えば、政府 への信頼は低下する」と語った。

ニューヨーク時間午後4時16分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ =1.3602ドル。一時は1.2%安の1ユーロ=1.3651ドルと、日中取 引としては3月19日以来の落ち込みとなった。ドルは対円では0.5% 下げ、1ドル=97円37銭(前日は同97円86銭)。一方、ユーロは 対円で0.5%上げ、1ユーロ=132円42銭(前日は同131円81銭)。

ガイトナー長官の補足説明

ガイトナー長官はSDRに関する発言について明確な説明を求めら れ、ドルは世界の支配的な準備通貨としての地位にとどまると答えた。

米FXコンセプツの会長として114億ドルを運用するジョン・テ イラー氏は「アメリカの底力はこういうところに表れる。米国市場は最 大かつ最強だ。世界は本当にひどい状況にあり、ある意味でその責任は 米国にある。だが、この状況から脱するきっかけを皆が米国に求めてい る」と語った。

中国人民銀行の周小川総裁は23日にウェブサイトに掲載した報告 書で、IMFに対し「スーパーソブリン(超国家)準備通貨」の創設を 訴えた。ガイトナー長官は25日、講演後の質疑でこの提案について問 われると、「SDRの使用拡大を図る提案だと理解している。米国はそ の提案に先入観を持たずに対応するだろう」と答えた。

韓国ウォン

この日は韓国ウォンが対ドルで最も堅調に推移した。韓国政府は 24日、景気を下支えするため5月、もしくは6月までに17兆7000億 ウォン(約1兆2600億円)規模の財政を出動する計画を発表した。

BNPパリバのシニア通貨ストラテジスト、ティオ・チンルー氏 (シンガポール在勤)は「(他の国の)プラスのセンチメントがドルの 軟化につながっている部分もある」と指摘した。

ウォンは対ドルで一時2.1%上げ、1月29日以来の高値を付ける 場面も見られた。1-3月期ではただ、韓国の景気低迷が深刻化すると の見方を背景に対ドルで7.6%下げ、最も軟調に推移している。

ドルは朝方の取引でユーロに対して下落。米商務省が発表した2月 の米製業耐久財受注が予想を上回ったことで、世界的な景気後退からの 逃避先としてのドルへの需要が後退した。

米製造業耐久財受注

米商務省が25日に発表した2月の米製造業耐久財受注額は前月比

3.4%増と、過去1年余りで最大の増加率。プラスは7カ月ぶり。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は2.5%減 だった。また、同省が発表した2月の新築一戸建て住宅販売(季節調整 済み、年率)は前月比4.7%増加した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値は2.9%の減少だった。

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