米財務長官の「SDR拡大」発言でドル売り、対中国配慮が逆効果(2)

ガイトナー米財務長官の発言を受 けて、25日のニューヨーク外国為替市場でドル売りが膨らむ場面があ った。同長官は国際通貨基金(IMF)特別引き出し権(SDR)の拡 大に言及。この発言が伝わると、市場ではドルの基軸通貨としての役割 減退との連想が生まれ、ドル安が進んだ。その後、ガイトナー長官は 「ドルは世界の基軸通貨としての地位を維持する」と補足説明した。

中国人民銀行の周小川総裁は23日にウェブサイトに掲載した報告 書で、IMFに対し「スーパーソブリン(超国家)準備通貨」の創設を 訴えた。ガイトナー長官は25日、講演後の質疑でこの提案について問 われると、「SDRの使用拡大を図る提案だと理解している。米国はそ の提案に先入観を持たずに対応するだろう」と、中国の提案に対して 一定の配慮を示す回答を行った。

ガイトナー長官の発言が伝わると、ドルは対ユーロで10分以内に

1.3%安まで下落した。ニューヨーク時間午後2時51分現在では0.8% 安の1ユーロ=1.3570ドルで推移している。

講演の司会者、ロジャー・アルトマン氏がガイトナー長官に当初の 発言について詳しい説明を求めると、長官は「ドルは世界の支配的な準 備通貨としての地位にとどまると思う」と答えた。アルトマン氏はクリ ントン政権時代に財務副長官を務めた経歴を持つ。かつての上司である アルトマン氏はガイトナー長官に助け舟を出す格好になった。

講演後に経済専門局CNBCのインタビューに応じたガイトナー長 官は「強いドルは米国の国益にかなう」と述べた。

ガイトナー長官は当初の発言で、SDRの使用拡大は「世界通貨連 合への移行というよりも、現在の制度基盤の上に立って進化する」との 考えを示していた。

三菱東京UFJの為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏(ロン ドン在勤)はリポートで、ガイトナー長官がSDRを基軸通貨とする為 替制度への移行を望んでいるとは示唆していないと指摘した。

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