通貨オプション:ユーロ・コール人気に一服感、反落リスク意識も

中東欧の経済危機や欧州中央銀行 (ECB)の金融緩和観測がくすぶるなか、通貨オプション市場ではユ ーロを買う権利を付与する「コール・オプション」の需要の高まりが一 服しており、ユーロの反落リスクを意識した取引も観測されている。

ブルームバーグ・データによると、1カ月物25デルタのユーロ・ド ルオプションのリスク・リバーサル率で、ユーロ・コール(買う権利) のプレミアムは0.68%と前日の0.70%から低下し、1週間ぶりの低水 準となっている。リスク・リバーサル率はプット(売る権利)オプショ ンとコール・オプションの需給の傾きを示す。

実際、ユーロの上昇には一服感が広がっており、24日の取引では ユーロが対ドルで1ユーロ=1.36ドル台から1.34ドル台前半まで下落。 25日の東京市場でも1.3500ドル付近で上値を抑えられる展開が続いて いる。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、「リスク・リ バーサルを見てもかなりユーロ・ブル(強気)に傾いているし、ユーロ は急激な上げの後で調整が入って然るべき」と指摘。その上で、景気回 復に向けた政策対応の遅れなどを考えれば、「長期的にはユーロが安く なる可能性がある」と語る。

1.3000ドルのユーロ・プット

ユーロ・ドルのリスク・リバーサルは年初からユーロ・プットの需 要がユーロ・コールの需要を上回る「プット・オーバー」の傾向が続い ていた。しかし、3月初旬以降は「コール・オーバー」に傾き、20日 にはユーロ・コールのプレミアムが1.17%とブルームバーグのデータ がさかのぼれる2003年10月以降で最大となった。

ユーロ・ドルは19日に一時、1ユーロ=1.3738ドルと1月9日以 来、約2カ月ぶりの水準までユーロ高・ドル安が進行。米連邦公開市場 委員会(FOMC)が前日に長期国債の購入を発表し、ドルが急落した ことが背景だった。

一方、24日のオプション市場では行使価格を1ユーロ=1.3000ド ルとし、1カ月後を行使期限とするユーロ・プットが10億ユーロ程度 買われたとされており、「取引を受けた銀行から250本(2億5000万 ユーロ)程度のデルタヘッジのユーロ売りが出た可能性がある」(NT Tスマートトレード・工藤隆営業企画部長)という。

ユーロの先安観

米ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは24日まで に、ECBが4月2日の定例政策委員会で政策金利を現行の1.5%から

0.5ポイント引き下げるとの見通しを示した。従来は0.25ポイントの 利下げを予想していた。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替本部長の斉藤裕司氏は、「中央 銀行の対応にしてもECBがもっとも遅れているし、リトアニアの格下 げやEU議長国であるチェコの政治不安といった不安定要因も出てい て、ユーロの先行きは不透明」と指摘。ユーロ自体に買う材料はないと し、今後1カ月でユーロは1.27ドル程度まで下落する可能性があると している。

将来の相場の変動率の予想を示す1カ月物のユーロ・ドルオプショ ンのインプライド・ボラティリティ(IV)は17.73%と前日(17.72% からほぼ変わらず。週初には一時、18.76%と約1カ月ぶりの高水準に 水準まで上昇していた。

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