日本株は下落、証券など金融株が安い-高値警戒と米金融安定期待後退

午前の日本株相場は下落。米政府 が23日発表した不良債権買い取り計画の効果に疑問の声が出たことな どから、信用リスク後退期待が弱まった。急ピッチの上げに対する警戒 感もあり、野村ホールディングスやアコムなど金融株中心に売られた。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、米の買い取り計画につい て「米金融機関が抱える不良債権は一説では6兆ドルと言われており、 計画の1兆ドルでは足りない」と指摘。「計画の詳細が出たからといっ て金融危機が和らぐといった簡単な話ではない」と述べた。

午前の日経平均株価終値は、前日比61円58銭(0.7%)安の 8426円72銭。TOPIXは同0.27ポイント(0.03%)安の812.45。 東証業種別33指数は19業種が下落、14業種が上昇。東証1部市場の 騰落状況は値上がり銘柄数925、値下がり644。出来高は概算で9億 898万株。

安値からの戻りは6割以上

日経平均は小幅に続伸して始まったものの、すぐに下落に転じた。 取引時間中のことしの安値(7021円28銭)を付けた3月10日から前 日まで9営業日の上昇率は20%に達しており、急ピッチの上げに対す る警戒感が漂っている。1月7日に付けたことしの高値は9325円35 銭。安値から高値水準への前日までの戻り率は6割を超える。

高値警戒感があるなか、24日の米株式相場はバンク・オブ・アメ リカ(BOA)など金融株中心に下げた。米政府の金融機関の不良債権 買い取り計画に対して、「極めて散漫で、明確な定義がない」(ノーベ ル経済学賞受賞者で米プリンストン大学のポール・クルーグマン教授) など、専門家から批判的な意見が出たことがきっかけとなった。

信用リスクに対する過度の楽観論が後退し、東京市場でも金融株が 下落。東証業種別33指数の値下がり率上位には、証券、その他金融な どが入った。

もっとも、前日大幅高となった割には、この日の下げは大きくない。 日経平均は前日一時288円88銭高まであったが、この日の下げは95 円74銭安まででとどまっている。この日は3月決算企業の配当の権利 付き最終売買日あるため、「配当狙いの買いが入りやすい」(リテラ・ クレア証券の井原翼理事・情報部長)。

東証業種別33指数の値上がり率1位は鉄鋼。ブルームバーク・デ ータによると、鉄鋼業の平均配当利回りは4.3%と、TOPIXの

2.9%を大きく上回る。このほか、東北電力など電気・ガス、NTTな ど情報・通信、JTなど食品株など景気動向に左右されにくいディフェ ンシブ株も買われた。

田辺三菱がストップ安

個別では、販売している血液製剤の試験データに改ざんがあったと 発表した田辺三菱製薬がストップ安を付けた。国内外の需要低迷で09 年3月期の連結営業利益予想を140億円から115億円に下方修正した 横浜ゴムも3日ぶりに反落。また、09年3月期の連結最終損益予想を 350億円の赤字(従来予想は150億円の赤字)に修正した日本アジア 投資も安い。

半面、JPモルガン証券が投資判断を引き上げた住友不動産、09 年3月期の連結営業利益予想を5.6%増額した東洋精糖が続伸。野村証 券金融経済研究所が「株価は割安水準」と指摘したJR東海も大幅続伸 した。

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