クボタ:主力のトラクターと建機、1割減産―欧米市場不振で

【記者:堀江政嗣、菅磨澄】

3月25日(ブルームバーグ):農業機械メーカー国内最大手、ク ボタは、主力商品のトラクターと建設機械の生産を前年比10パーセン ト前後削減する計画だ。欧米市場を中心とした需要減に対応する。今 後は成長が期待できる中国などアジア市場に軸足を移す。

円高と欧米を中心とした景気低迷が売り上げの5割近くを海外市 場で稼ぐクボタに逆風となっている。同社の2009年度のドル円相場の 想定レートは1ドル=90円。富田哲司常務(機械事業担当)は24日 のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、鉄やスクラップな ど素材価格の落ち込みで部品調達コストは下がるものの、機械事業の 利益水準については「赤字になることはないが、非常に難しい」と述 べた。

富田常務によると、世界最大の北米市場での今年のトラクターの 販売台数は前年比15パーセント減になる見通し。販売戦略の成功など で米ディアーなどのシェアを奪いつつあり、「同業他社より状況はい い」としながらも、今年いっぱいは前年比でパーセントにして1ケタ 台後半の減産体制を取る方針だ。

油圧ショベルなどの建機事業はさらに悪く、「市場が崩壊している 状態」(富田常務)で、米国や欧州では足元の販売台数が前年の同時期 と比べ、半分ほどに落ち込んでいるという。「各国の財政政策の効果が 出ないことには事業の浮上は期待できない」(同)とし、建機は年間を 通じて前年比10数パーセントの減産を計画している。

米住宅市況の悪化で、これまでよく売れていたレジャー用車両や 芝刈り機などの需要が特に急減している。富田常務は「一種のぜいた く品、嗜好(しこう)品で米国の消費バブルが崩壊したいま、需要は元 に戻らないかもしれず、事業領域を変えていく必要がある」といい、 同社の既存技術を生かせるような新たな事業分野への参入なども検討 していると話した。

半面、中国をはじめとするアジア諸国の農機や建機の需要は引き 続き旺盛で「需要をみる限り、金融危機の影響は感じない」(同)とし、 09年の中国での建設機械の販売台数は前年比倍増を予想している。

常務はタイやインド、ベトナムなどで農作業の機械化が急速に進 む国々では農機事業の爆発的な伸びを見込んでおり、「世界で消費され るコメの90パーセントを生産するアジアは世界の食料庫になり得る 地域。総合農機メーカーとしての当社のビジネスの可能性は無限大に ある」と、アジア市場の成長に期待を込めた。

クボタの25日午前の株価終値は前日比2円(0.35%)安の568 円だった。

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