田辺三菱株は売り気配、血液製剤の試験データ改ざん-イメージ悪化

中堅製薬メーカー、田辺三菱製薬株 は売り気配で取引を開始。2008年5月から販売している血液製剤「メド ウェイ注」の開発過程で試験データの改ざんがあったため、同製品を自 主回収すると24日に発表した。製薬メーカーとしての信用の根本に関わ る不正だけに、企業イメージの悪化が懸念された。

午前9時3分現在の気配値は、前日比1.8%安の1121円。7万4000 株の買い注文に対し、56万2000株の売り注文が入っている。取引開始 直前は941円で27万株の食い合いだった。

田辺三菱が公表した報道資料によると、メドウェイの生産を担うバ イファ(北海道千歳市)の従業員らが、05年10月以降に実施した「メ ドウェイ5%」のラットを用いたアレルギー反応試験結果を一部差し替 えた。08年12月にこの事実が判明、田辺三菱が追加試験を行ったとこ ろ、不正が確認されたという。

24日の朝日新聞電子版によると、データ差し替えにはバイファの2 人の元管理職とその部下3人の計5人が関与したとみられる。問題発覚 前に退社した元管理職2人は聞き取り調査に対し、差し替え指示を否定 したという。

ジャパン・アドバイザリー・リミテッドで医薬品株の運用に携わる 近江光雄氏は、「日本の製薬企業でこうしたことが起こるとは予想して いなかった。このような不正がまかり通る訳がない」と述べた。生産子 会社バイファで起こった今回の違反行為について、「親会社・田辺三菱 の管理不行き届きだ」(近江氏)としている。

田辺三菱は、09年2月末までに生産した9万2000本のうち、出荷 された分をすべて自主回収する予定。メドウェイは遺伝子組み換え技術 を使ってつくられたヒト血清アルブミン製剤で、従来の血液由来製品に 比べ感染リスクが低いとされ、世界的にも注目を集めていた。やけどや、 大量出血時などに使われている。

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