田辺三菱株がストップ安、血液製剤の試験データ改ざん-イメージ悪化

中堅製薬メーカー、田辺三菱製薬の 株価が急反落。2008年5月から販売している血液製剤「メドウェイ注」 の開発過程で試験データの改ざんがあったため、同製品を自主回収する と24日に発表した。製薬メーカーとしての信用の根本に関わる不正だけ に、企業イメージの悪化が懸念された。

この日は売り気配で取引を開始、午前9時58分すぎにストップ安 (制限値幅いっぱいの下げ)に相当する前日比200円(18%)安の941 円で253万株の売買が成立した。その後も2万株、3万株単位の大口売 り注文が並んでおり、940円台での取引が続いている。

田辺三菱が公表した報道資料によると、メドウェイの生産を担うバ イファ(北海道千歳市)の従業員らが、05年10月以降に実施した「メ ドウェイ5%」のラットを用いたアレルギー反応試験結果を一部差し替 えた。08年12月にこの事実が判明、田辺三菱が追加試験を行ったとこ ろ、不正が確認されたという。

24日の朝日新聞電子版によると、データ差し替えにはバイファの2 人の元管理職とその部下3人の計5人が関与したとみられる。問題発覚 前に退社した元管理職2人は聞き取り調査に対し、差し替え指示を否定 したという。

ジャパン・アドバイザリー・リミテッドで医薬品株の運用に携わる 近江光雄氏は、「日本の製薬企業でこうしたことが起こるとは予想して いなかった。このような不正がまかり通る訳がない」と述べた。生産子 会社バイファで起こった今回の違反行為について、「親会社・田辺三菱 の管理不行き届きだ」(近江氏)としている。

また、日興シティグループ証券の山口秀丸シニアアナリストは24 日付の投資家向けリポートで、「データの差し替え行為が複数行われて おり、組織的な問題と考えるのが自然。会社に対する信頼性への影響は 大きい」と指摘した。同氏は一方で、「内部で問題を発見、対策を取っ たことは、企業に自浄作用があることも示す。再度、社内法令遵守を見 直すことが経営課題となろう」とも付け加えていた。

田辺三菱は、09年2月末までに生産した9万2000本のうち、出荷 された分をすべて自主回収する予定。メドウェイは遺伝子組み換え技術 を使ってつくられたヒト血清アルブミン製剤で、従来の血液由来製品に 比べ感染リスクが低いとされ、世界的にも注目を集めていた。やけどや、 大量出血時などに使われている。年商は1億円程度。

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