3月24日の海外株式・債券・為替市場(3)

(米国株を最新版に差し替えます)

○米国株:米国株式相場は反落。バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長とガイトナー財務長官が金融機関に対する新たな清算 権限の必要性を訴えたため、売りが優勢になった。ノーベル経済学賞 受賞者のプリンストン大学のポール・クルーグマン教授が政府は主要 銀行の接収を余儀なくされると予想したことも売りを誘った。

前日に政府の不良資産買い取り計画を好感して急伸したシティグ ループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)はともに反落した。米政 府が石油燃料を使用する発電所への課税を強めるとの懸念からサザン を中心に公益事業株が下落。S&P500種株価指数の公益株指数は

2.2%下げた。ゴールドマン・サックス・グループが株価の割高感を 理由に投資判断を引き下げたウォルト・ディズニーは3.2%安。

S&P500種株価指数は前日比2%安の806.25で終了。ダウ工 業株30種平均は115.89ドル(1.5%)安の7659.97ドル。ナスダッ ク総合指数は2.5%下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の 騰落比率は1対4。

ドーバー・ロング・ショート・ファンドの運用担当者、ダグラ ス・クリゴット氏は「株を買うなら、企業業績の勢いを買うべきだが、 現在の収益状況は急速に悪化している。底はまだ打っていない」と指 摘した。

バーナンキ議長とガイトナー長官は24日、下院金融委員会で証 言し、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)救済で 生じた問題を考慮し、経営危機に陥った金融機関を管理下に置いて清 算するための新たな権限が必要だと訴えた。

政府はAIGの救済に1825億ドルを拠出した。だが、クレジッ ト・デフォルト・スワップ(CDS)取引の損失で救済の引き金にな った部門の従業員にも、同社が1億6500ドル規模のボーナスの一部 を支給していたことが明らかになり、世論の強い反発を招いた。

シティは3.8%安。ウェルズ・ファーゴは11%下落。S&P500 種の金融株指数は6.5%安と、全10セクターで最も下げがきつい。 同指数は6日から23日までに58%戻したものの、年初来ではなお 28%安。

最終的に国有化?

クルーグマン教授は銀行の国有化について「最終的にそうなるだ ろう」と述べた。さらに「預金者は保護されるが、大手銀行は接収さ れる」と話した。

BOAのチーフ米国クオンツ分析ストラテジストのリチャード・ バーンスタイン氏は銀行株の売りを提唱した。財務省の不良資産買い 取り計画でも減益に歯止めがかからないとの見方が理由。同氏は独自 の資産運用会社を設立するため、BOAを4月中旬に退職する。ブル ームバーグがまとめたアナリスト予想によると、S&P500種金融株 指数の構成企業の減益率は今四半期が33%、来四半期が34%となっ ている。

BOA株は7.4%安。同行の広報担当者によると、北米担当チー フエコノミストのデービッド・ローゼンバーグ氏も退職する予定。

ミラエ・アセット・セキュリティーズのチーフ・グローバル・ス トラテジスト、アジェー・カプール氏は「2週間前、センチメントを 計る指数は異常に弱く、かなり売られ過ぎの状態だった。しかし現在 の状況はそうではない」と指摘した。同氏は以前、シティの世界株式 戦略の責任者だった。

短期的には正しい政策

著名投資家マーク・ファーバー氏は24日、ブルームバーグテレ ビジョンとのインタビューに応じ、ガイトナー長官は短期的な観点か らは「正しい政策」を実施しているとの見方を示した。S&P500種 株価指数は880に達する可能性があると予想した。

公益株指数は全10セクター中で2番目に下げがきつかった。リ ック・バウチャー下院議員は発電所への課税強化に加え、二酸化炭素 を取り込み、隔離する計画を支援するため、年10億ドルの基金を設 立する法案を作成した。

○米国債:米国債市場は30年債が4日ぶりに上昇。米連邦準備制度 理事会(FRB)が明らかにした長期債買い取り計画に30年債も対 象に含まれていたことが買い材料だった。

FRBは25日から国債買い切りオペを実施する。第1回目のオ ペ対象は2016年2月―2019年2月の償還銘柄となる。先週、国債買 い取り計画が明らかになった段階ではFRBは買い取り対象について 2-10年債が中心と述べていた。中期債は前日比ほぼ変わらず。今 週、財務省は980億ドルの国債入札を実施する。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏は「短期 的には明るい。しかし長期的には残念ながら、国債を紙幣に変えてい るだけだ。いずれインフレが加速することになるだろう」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時45分現在、30年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下して3.62%。30年債(償還2039年2 月、表面利率3.25%)価格は1 9/32高の97 19/32。

10年債利回りは2bp上昇して2.67%。一時は2.74%まで上げ た。

FRBの買い取り計画

FRBは27日に償還期限2011年3月―2012年4月の国債を買 い取り、30日には2026年8月-2039年2月償還期限の国債を買い取 る計画だ。

4月1日には、2012年5月―2013年8月償還の銘柄、翌2日に は2013年9月―2016年2月が償還期限の国債を買い取る。

財務省はこの日、2年債(400億ドル)の入札を実施した。25日 には5年債(340億ドル)、26日には7年債(240億ドル)の入札が それぞれ実施される。

ゴールドマン・サックス・グループは、今年の米国債発行額が前 年比ほぼ3倍の2兆5000億ドルに達すると予想している。

超党派の議会予算局(CBO)によると、2010年度(09年10月 -10年9月)の財政赤字は1兆3800億ドルが予想されているが、こ れは政府予想の同1兆1700億ドルを上回っている。

利回り格差

10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は

1.35ポイントに拡大した。過去5年間、同利回り格差は平均2.27ポ イントだった。

2年債利回りはほぼ変わらず。入札後も大きな変動はなかった。

ミラー・タバクの主任債券市場ストラテジスト、トニー・クレセ ンツィ氏は「唯一の問題点は、財務省は25日に入札を実施し、26日 も同様に実施することだ。2兆ドル近い赤字を抱え、投資家を引き付 けるのは当面、難しいだろう」と語った。

財務省が実施した2年債入札の結果によると、最高落札利回りは

0.949%と、入札直前の市場予想の0.972%を下回った。前回入札 (2月24日)は0.961%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.71倍と、前回の2.63倍 を上回った。

外国中央銀行を含む間接応札が落札全体に占める割合は53.1% で前回の28.1%を大きく上回った。プライマリーディーラー(政府 証券公認ディーラー)が占めた割合は44.7%と、前回の68.6%から 減少。直接応札による落札は2.2%だった。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場では円がユーロに対して5カ 月ぶり安値付近で推移。対ポンドでも下落した。米財務省が23日発 表した銀行の不良資産買い取り計画を受け、高利回り通貨に対する投 資意欲が高まるとの憶測が広がった。

ポンドはドルに対して上昇。英国のインフレ加速を背景に、イン グランド銀行がポンド高容認の姿勢を取るとの見方が強まった。一方、 この日はチェコ・コルナはが対ドルで最も下げた。同国のトポラーネ ク首相に対する不信任案が可決されたことが背景。

ゲイン・キャピタル傘下FOREX・ドット・コム(ニュージャ ージー州ベドミンスター)のチーフ為替ストラテジスト、ブライア ン・ドーラン氏は「市場はリスク許容度に強く左右されているようだ。 市場のリスク志向が改善すれば、クロス通貨は上昇する」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時18分現在、円は対ユーロで1ユーロ =131円64銭(前日は同132円17銭)。一時は同134円51銭と、 昨年10月21日以来の安値を付けた。

円は対ドルでは0.8%下げ、1ドル=97円74銭(前日は同96円 95銭)。一方、ドルは対ユーロで1.2%上げ、1ユーロ=1.3471ド ル(前日は同1.3633ドル)。ドルは3月19日には同1.3738ドルと、 1月9日以来の安値まで落ち込んだ。

ドーラン氏によると、日本の新会計年度入りに伴いファンドマネ ージャーが海外資産への再投資に向かえば、円は4月に対ドルで1ド ル=105円台まで下げる可能性がある。

ポンドはドルに対して一時1.4%高の1.4778ドルまで上昇し、 2月10日以来の高値を付けた。この日発表された2月の英インフレ 率が予想に反して上昇したことがきっかけとなった。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は0.6%上昇 して83.86。3月19日には82.63と、1月初め以来の低水準を付け た。

FRBの米国債購入

ドル指数は3月に入り4.7%下げている。FOMCが声明で18 日、期間の長い米国債を最大3000億ドル買い取るほか、MBSの購 入を拡大すると発表したことがドル売りのきっかけとなった。

ブルームバーグのデータによると、MSCI世界指数とドル指数 の相関関係はマイナス0.549と、年初来の低水準マイナス0.574から 上昇。この相関関係がマイナス1だと、ドルと株価が常に反対方向に 動くことを意味する。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア通貨ストラテジスト、マ シュー・ストラウス氏(トロント在勤)は「ドルの株価感応度の低下 は、ユーロ上昇の勢いが減速しつつあることを示唆している可能性が ある。円相場はより明確だ」と語った。

ポンドは対円で一時2.7%上昇し、12月1日以来の高値を付けた。 日本の投資家勢が高利回り資産に投資するとの見方が背景。韓国ウォ ンは1.6%、オーストラリア・ドルは0.1%といずれも対円で上昇し た。日本の政策金利が0.1%であるのに対し、オーストラリアは同

3.25%、韓国は同2%、またイギリスは同0.5%となっている。

ガイトナー財務長官は23日、金融システム支援に向けて、最大 1兆ドル規模の不良資産を買い取る計画を発表、安全投資先への需要 が後退した。

○英国債:英国債市場では10年債相場が下落。同利回りは過去6週 間で最大の上昇となった。この日発表された2月の英インフレ率が予 想に反して上昇したことが材料視された。

英政府統計局(ONS)が発表した2月の英消費者物価指数(H ICP)は前年同月比3.2%上昇し、1月の3%から加速した。ブル ームバーグがエコノミスト28人を対象にした調査の中央値では、前 年同月比2.6%上昇と見込まれていた。

10年債利回りは前日比18ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し3.32%となった。同国債価格(表面利率4.5%、2019 年3月償還)は1.61ポイント下げ109.97。一方、2年債利回りは

1.29%と、前日を3bp下回った。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは23bp拡大し204bp と、5日以来の最大となった。

○欧州債:欧州債市場ではドイツ国債が続落。この日発表された経済 データが市場予想を上回る内容だったほか、株式相場の上昇を背景に 安全投資としての国債需要が減退した。

独10年債相場はこのままでいけば四半期ベースとしては昨年4 -6月期以来のマイナスとなる。欧州連合(EU)統計局(ユーロス タット)が発表した3月のユーロ圏製造業・サービス業の各景気指数 は市場予想ほどには落ち込まなかった。また、ベルギーの景況感指数 が予想に反して上昇した。

ドレスナー・クラインオートの債券ストラテジスト、クリスト フ・リーガー氏(フランクフルト在勤)は、「リスクテーク意欲が高 まるなか、株式相場が強気相場入りしたとの見方が、独国債にある程 度影響した」と語った。「ベルギーの指標は、明日発表されるドイツ 景況感指数を予測するための良い判断材料だ」と付け加えた。

ロンドン時間午後3時46分現在、独10年債利回りは前日比11 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.13%。 1月以来では18bp上げている。同国債(表面利率3.75%、2019年 1月償還)価格は前日比0.93ポイント下げ105.18。独2年債利回り は1.38%と、前日から5bp上げた。前期末比では38bp低下した。

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