日銀総裁:一層の資本強化で金融仲介機能の維持を-大手銀首脳に(2)

日本銀行の白川方明総裁は24 日、国際業務を展開する大手銀行などの首脳を集めた日銀による劣後 ローン供与に関する説明会であいさつし、金融機関が資本基盤の強化 に一層努めることにより、金融仲介機能の維持にしっかり取り組むよ う求めた。

白川総裁は、劣後ローンに関して「日銀がこうした手段を整えて おくことが、わが国金融システムの頑健性を補強し、ストレス下にお いても金融仲介機能が適切に働くための安全弁として機能する」と述 べた。

日銀は17日に開いた政策委員会で、金融危機で財務内容が悪化 した銀行の資本増強を支援するため、自己資本の補完的項目に算入で きる劣後ローンの供与の具体的な検討を始めることを決定した。自己 資本比率規制(BIS規制)上の国際統一基準行である大手銀行と地 方銀行14行が対象で、貸付総額は1兆円。

白川総裁はあいさつで「金融市場における年度末越えの資金調達 にはおおむねめどがつきつつあるが、企業金融がなお厳しい状態にあ ることには変わりない」と指摘。今後国内外の金融資本市場の緊張が さらに強まり、個々の金融機関が先行きの自己資本制約を意識して信 用リスクに慎重なスタンスを強めた場合、「仮にそれが個々にとって は合理的と判断される場合であっても、皆が一斉に同じスタンスをと ると資産増加の抑制などを通じて金融と実体経済の負の相乗作用が強 まる可能性-『合成の誤謬(ごびゅう)』が生じる可能性-がある」 と述べた。

さらに、「わが国金融機関の株式保有残高は2000年代初頭まで に比べればかなり削減されてきたとはいえ、依然大きな株式保有リス クを抱えていることに変わりはない」と指摘。「足元の株価は幾分戻 しているが、欧米の金融システムが不安定な状態を続けているだけに、 個々の金融機関が先行きの株価下落リスクを意識することが引き金と なって、前述の『合成の誤謬』が生じる事態は避けなければならな い」と強調した。

白川総裁は日銀による国際統一基準行への劣後ローン供与につい ては「中央銀行にとって今回のような直接的な資本性資金の供与は極 めて異例の措置」とした上で、「こうした異例な措置を実施してでも、 中央銀行の立場から円滑な金融仲介機能の維持とそれを通じた金融シ ステムの安定確保に全力を尽くす必要があると判断した」と説明。さ らに、金融機関経営者が「わが国経済全体への最終的な帰結にも思い をめぐらしつつ、資本基盤の強化を実現していくことが重要」との考 えを示した。

--共同取材:日高正裕 Editors:Masaru Aoki, Kenzo Taniai

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