東京外為:円が大幅続落、株高で売り継続-対ユーロ5カ月ぶり安値

東京外国為替市場では円が大幅 続落し、対ユーロでは一時、約5カ月ぶりに1ユーロ=134円台まで 下落した。米政府による不良資産買い取り計画を受け、金融システム 安定化への期待が高まるなか、株高により投資リスクが取りやすくな るとの見方から、ゼロ金利に近い円から相対的に金利の高い通貨に資 金を振り向ける動きが続いた。

ユーロ・円は1ユーロ=134円51銭と昨年10月21日以来の水 準までユーロ高・円安が進行。午後に日本株が上げ幅を拡大すると円 は一段安となり、一時は日中の下落幅が2円を超えた。

ドル・円相場も1ドル=97円ちょうど前後から一時、98円51 銭までドル高・円安が進行。今月18日に米連邦公開市場委員会(F OMC)が長期国債の購入を決定し、米長期金利の急低下とともにド ルが急落する前の水準まで値を戻した。

大和証券SMBC金融市場調査部のチーフFXストラテジスト、 長崎能英氏は、「株式市場が米国の不良債権買い取りの枠組みを好感 しており、株高・円安の流れが継続している」と説明。その上で、 「今週はFOMCが発表した長期国債の入札があり、米長期金利の動 向も注目されるところだが、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場) が下がらないとドル円も下がらず、円高ということにはなかなかなり づらい」と語る。

不良資産買い取り計画

ガイトナー米財務長官は23日、米国には自国の金融システムを 修復し、適切な監督の下で市場経済が繁栄するという信頼感を世界中 で高める義務があると語った。同日発表した不良資産買い取り計画に ついては、市場の再始動や、新規の融資と証券化に寄与するだろうと 言明。企業の資金繰りの条件改善にもつながるとの見通しを示すとと もに、「動きが出てくる若干の兆候が見られ、これは期待できる」と 付け加えた。

米財務省の発表によると、不良資産買い取りのための官民投資プ ログラムは、昨年導入された7000億ドル規模の問題資産購入計画 (TARP)から750億-1000億ドルの資金を使用する。財務省の ほか、米連邦準備制度理事会(FRB)と米連邦預金保険公社(FD IC)も民間の投資家が流動性の低いローンや証券を銀行から買い取 る上で、資金拠出あるいは資金調達支援を実施する。

同プログラムを好感し、23日の米国株は急反発。24日のアジア 株式相場もほぼ全面高となり、日経平均株価は前日比3%を超える上 昇となった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の原田雄一朗参事役は、米国 が発表した不良資産買い取り計画を受け、「株高はもちろんのこと、 為替でも正常化に向けた動きにつながっている」と指摘。目先は「投 資家のリスクアペタイト(志向)の復活」を背景にクロス円を中心に 円が売られる展開が続くとみている。

また、株高により安全投資としての国債需要が後退したため、 23日の欧米国債相場は下落(利回りは上昇)。金利差も「円に不利 な方向に働いている」(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド のヘッド・オブFXストラテジー・ジャパン・山本雅文氏)。

円とドルが軟調

円は対オーストラリア・ドルでも昨年11月以来となる1豪ドル =69円台まで下落。ポンドとニュージーランド・ドルに対してもそ れぞれ同12月、今年1月以来の安値を塗り替えた。

また、株価の上昇でこれまで逃避通貨とされていたドルも弱く、 オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルに対しては1月以来 の安値を更新。対ユーロでも1ユーロ=1.36ドル台で上値の重い展 開となった。

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