ウォール街は80年代目指す-大手集中、安いマネーから「あるべき姿」へ

ウォール街の債券トレーディング は1980年代の世界に戻りつつある。当時の業界は共同経営会社や独立 系会社が牛耳っていた。

名門証券会社ソロモン・ブラザーズで、会長だったジョン・グッ ドフレンド氏から5つ目の席で売買をしていたジョン・バス氏は先月、 株式ブローカーのBTIGに加わり債券事業を立ち上げた。マンハッ タンの同社トレーディングルームでは50人余りのトレーダーが、売 値と買値のスプレッド拡大から利益を上げようとしている。

大手が倒れた後の瓦礫(がれき)の中から、中小のプレーヤーが 立ち上がりつつある。その1社、ブロードポイント・セキュリティー ズのリー・フェンスタストック最高経営責任者(CEO)は「他人の 不幸を喜ぶつもりはないが、正しいあり方の証券会社を立て直す好機 だ」と話す。

株価も好調な同社は2007年9月以来、ベアー・スターンズやリー マン・ブラザーズ・ホールディングス、メリルリンチ出身者を含め240 人余りを採用した。株式非公開の証券会社キャンター・フィッツジェ ラルドもここ半年間でUBSやベアー・スターンズ出身者を含む100 人を雇った。

バス氏によれば、グッドフレンド氏がソロモンのトレーディング ルームを歩き回っていたように、BTIGの幹部も執務室に閉じこも ってはいない。

共同経営会社

ベアー・スターンズとモルガン・スタンレーもかつては共同経営 会社だった。両社を含め多くの共同経営会社が1980年に株式を公開。 2000年までにはさらに多くが大手の傘下に取り込まれて姿を消した。 この傾向はサンフォード・ワイル氏が金融帝国シティグループをつく り上げてから、また証券会社(投資銀行)と商業銀行の垣根が取り払 われてから加速した。

今世紀初めのグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB) 議長の下での積極的な金融緩和もウォール街の変ぼうに拍車をかけた。 各社は低いコストで借り入れ、サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン関連証券などより長期の資産に投資して利益を上げたとオ スカー・グラス・アンド・サンの投資責任者、マイケル・アロンスタ イン氏は指摘する。

キャンター・フィッツジェラルドのショーン・マシューズCEO は、「5-7年前の流動性拡大が、ウォール街を変えた。5億ドルの取 引が一瞬でできるようになった」と振り返る。「80年代の状態に戻ら なければならない。28歳の若者が20億ドルを売買できるような状態 はあり得ない」と同氏は述べた。

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