TIBORの傾斜きつくなる、先行き不透明感や企業金融策の出口も

東京銀行間の貸出金利であるT IBORで3カ月物以降の利回り曲線の傾斜がややきつくなっている。 足元の資金余剰と3月期末に対する安心感から短めのターム(期日) 物が低下する一方、長めは先行き不透明感からプレミアム(上乗せ金 利)が残りやすいうえ、企業金融支援策の終了も意識されている。

23日のユーロ円TIBORでは、3カ月物と6カ月物の金利格 差が7.692ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2007年7月 24日以来の高水準だった。昨年12月16日に1.307bpの最低水準を つけた後は拡大基調が続いている。

TIBORは2営業日後に始まるターム物。来週30日になると スタート日が3月決算期末を越えるため、3カ月物は大幅に低下する との見方もある。一方、6カ月物は期日が9月中間期末を越えること で下げ渋り、格差は広がる方向という。

国内大手銀行の資金担当者は、これだけ資金が余ると3カ月物に も波及するうえ、0.1%で無制限に調達できる3カ月物の企業金融支 援特別オペの効果も大きいという。ただ、経済指標は一段と悪化して くるため、長めはどこの通貨もプレミアムが残りやすいと指摘した。

政策効果が鮮明

23日の日銀当座預金は17.8兆円と、06年5月以来の水準まで拡 大された。国債決済日で慎重に金融調節した結果だが、期末の資金供 給は一段と拡大される見通し。この日の全店共通担保オペ(3月31 日-4月1日)の平均金利は0.255%で、プレミアムは残るものの需 要は落ち着いてきている。

TIBORは、銀行貸出に対する企業の需要の影響が大きいため、 政府・日銀によるコマーシャルペーパー(CP)の買い取りや企業金 融支援特別オペの効果が表れ、全体的に金利が低下している。9回目 となる同オペの応札は5184億円と過去2番目に少なく、供給総額も 7兆4777億円に達した。

ドルのLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)3カ月物と6カ月 物の格差は63bpと高水準で、円は相対的に落ち着いているとの見方 もできるという。

先行きに金利再上昇リスク

ただ、5月から企業の決算発表が本格化すると、信用リスクが再 び意識されてターム物のプレミアムが拡大する可能性もある。TIB ORは銀行貸出の基準金利でもあり、長めの金利は下げづらい。クレ ジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場が示す日本企業の社債 のデフォルト(債務不履行)リスクも高止まりしたままだ。

また、日銀の企業金融支援策は9月末が期限。一時は機能不全に 陥ったCP市場も回復し、発行金利が過度に低下しているため、現在 の政策は終了する可能性がある。国内大手銀のトレーダーは、市場機 能がある程度回復し、金融当局の介入がなくなれば、TIBORは上 昇するとみる。

12月物の売買活発

将来のTIBORを予想するユーロ円3カ月金利先物相場では、 前週の市場で、09年12月物の売買高が中心限月09年6月物を2日 続けて上回り、12月物に積極的な取引が出ていたもよう。

大手銀のトレーダーは、外国銀行の本決算である12月末の金利 がどうなるのか、企業金融支援策の出口戦略など、不透明な要因が多 く、先行きの利回り曲線の形状に注目しているという。

ユーロ円金先では、09年6月物と09年12月物の格差が9bpか ら半分の4bpまで縮小しており、一時に比べて12月物の金利先安観 が後退している。

一方、国内経済指標が一段と悪化するなかで、一般的に政策が理 解されやすいゼロ金利や量的緩和の復活を求める圧力が高まる可能性 も否定できないとの声があった。

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