債券小幅安、米債安で先物に小口売り-米不良債権処理見極め(終了)

債券相場は小幅安(利回りは上 昇)。米国における金融機関の不良債権処理策を見極めようと現物債の 取引が控えられるなか、米債相場が前週後半にかけて軟調に推移したこ となどを手掛かりに、先物市場は小口売りがやや優勢の展開だった。

三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジストは、米国の不 良債権処理策に関して方向性は間違っていないとしつつも、「具体的な 効果が一気に出てくるわけでない」との見方を示した。

東京先物市場の中心限月6月物は、19日の終値より10銭安い 139円47銭で始まり、いったんは139円71銭まで続伸した。しかし、 10時前からは小幅マイナス圏での推移となり、一時は27銭安の139 円30銭まで反落。その後は139円50銭付近での小動きが続き、結局 は12銭安の139円45銭で引けた。売買高は1兆4723億円。

前週は中心限月として2月26日以来の水準をつけ高値警戒感が広 がったうえ、米10年債利回りが週末に10ベーシスポイント(bp)強 の上昇に転じたことが売り材料視された。市場では「朝方こそ5年ゾー ンの買いや先物買い戻しが散見されたが、こうした買い一巡後はもみ合 いだった」(RBS証券の市川達夫シニアストラテジスト)という。

また、「米国でバッドバンク構想の詳細が発表されることもあっ て取引は手控え気味」(三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジス ト)との指摘もあった。前週は米連邦準備制度理事会(FRB)による 米国債購入の決定を受けた米債急騰に感応度が高まった経緯もあり、米 政府による不良債権処理策の詳細やこれを受けた米債相場の反応を見極 めながら、先物6月物は139円台での推移が続くとの見方もあった。

10年債利回りは一時1.275%

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは、19日の終値より

0.5bp高い1.26%で始まり、午後1時前には1.275%まで上昇する場 面もあった。その後は小口の買いも入って横ばいの1.255%に戻したも のの、取引終盤にかけては再び1.265%で取引された。

決算期末を控えて動意薄の状況が続くとの見方が多く、来週にか けて1.2%台のレンジが維持されると見込まれるが、中長期的な金利の 方向性は下向きとの見方も有力。RBS証の市川氏は、期末前に金利低 下を追いかけて買う向きは少ないものの、日銀の長期国債買い入れ増額 が決まるなど需給不安が後退しているだけに、「期末にかけては利益確 定売りでなく押し目買い方針の投資家が多い」との見方だ。

米国の不良債権処理策を見極め

米国では銀行がバランスシート上に抱える不良債権買い取りを促 進する新プログラムの詳細が発表される予定で、これにより最大7000 億ドル(約67兆3000億円)の金融安定化策の拡充を目指すため、米 株や米債相場の反応を見極めようとの雰囲気も広がった。

この日の国内株式相場は米政府の金融安定化策への期待から銀行 株を中心に高く、米国でも景気浮揚が意識されれば株高を通じて米債売 りが膨らむとみられる。ただ、「不良債権処理策に進展があっても内外 で景況感が一気に改善するわけではなく、一時的に米債安に連られて売 りが出ても押し目買いが広がりそう」(RBS証の市川氏)ともいう。

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Tetsuzo Ushiroyama

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