商品既に底入れ、投資の好機-アーロンシュタイン氏ら強気派続々

オスカー・グラス・アンド・ サン(ニューヨーク)のストラテジスト、マイケル・アーロンシュタ イン氏は、商品相場が既に底入れしたと判断、運用資産の20%を原 材料に投資している。同氏は昨年の商品相場下落を予測した。

アーロンシュタイン氏(55)は、オスカー・グラス・アンド・ サンで運用を手掛ける1億1500万ドル(約111億円)規模のファ ンドで、金属、農産物、エネルギー先物の購入を今月から開始した。 少なくとも過去50年で最悪の商品相場下落により、生産会社はリグ (掘削施設)や鉱山の操業を停止。中国と米国は道路や橋、学校、病 院などの建設に向け1兆4000億ドルを拠出、需要は回復しつつある。

アーロンシュタイン氏はインタビューで、「市場関係者は世界 経済に関して否定的な見方をし過ぎている」と指摘。「通常のリセッ ション(景気後退)の時期には市場は反応しなかった。世界の資本市 場を停止させてしまうような戦争か非常に大規模な自然災害の発生を 経験したかのような状況だ」と語る。

このような見方を示すのはアーロンシュタイン氏だけではない。 メリルリンチ・グローバル・ウエルス・マネジメントは、景気が改善 する局面では商品が恩恵を受けるとの見通しを示す。ドイツ銀行の子 会社、DBアドバイザーズで2150億ドル相当を運用するテレサ・ガ スマン氏は、供給の「劇的」な減少を理由に、顧客に対し銅や原油な ど原材料への投資を推奨している。

米油田サービス会社のベーカー・ヒューズによると、米国の天 然ガス探査に利用されるリグのうち約43%が昨年9月以降、操業を 停止した状態で、停止率は2002年以降で最高となっている。商品調 査会社のCPMグループ(ニューヨーク)の推計によると、銅生産会 社は今年、生産を87万トン(6%)以上削減した。ガスマン氏によ ると、世界の鉱山会社の探査・生産向け投資は50%減少している。

「投資の好機」

ガスマン氏は「今は商品投資の好機だ」と述べ、「供給は劇的 に減少しており、それが資源の急減につながるだろう。探査は大幅に 削減されている。資源が不足する可能性がある」との見方を示す。

石油輸出国機構(OPEC)と国際通貨基金(IMF)の幹部 らは17日の会議で、原油相場の下落により新規油田への投資が削減 されており、景気回復局面で供給が不足する危険性があると指摘した。

銅やコーヒーなどの商品の在庫は減少し、過去3週間の相場上 昇につながっている。ロンドン金属取引所(LME)の指定倉庫の銅 在庫が今月に入って7.1%減少し50万3950トンとなったことから、 銅相場は17%上昇。ICEフューチャーズUSのコーヒー先物相場 は10日以降9.7%上昇し、1ポンド当たり1.162ドルとなった。

回復の兆し

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は 2月末以降6.9%上昇し、今月20日には226.08となり、3月は月 間ベースで昨年6月以来の上昇となる可能性がある。同指数は過去最 高水準の473.97に達した昨年7月3日以降、最大58%低下した。 構成銘柄のうち今月高い上昇率を示しているのは銅、原油、ガソリン、 トウモロコシとなっている。

エコノミストで、ニュースレター「ガートマン・レター」のエ ディターでもあるデニス・ガートマン氏も昨年、商品相場のピークを 予測した。同氏は「大半の商品を見ると、既に底入れしていることが いずれ明らかになるだろう。商品市場は、経済環境が堅調さを増して いることを示唆している」と語る。

投資家らも商品市場に戻りつつある。資金の流れを調査する米 EPFRグローバルによると、商品市場への純投資額は今年、総額 26億ドルを超えた。

アーロンシュタイン氏は昨年6月、投機筋がファンダメンタル ズ(需給関係)から離れて相場を押し上げたため、商品相場は「その 報いを受けているような状況だ」との見方を示していた。現時点では、 相場は需要が回復する可能性を反映していないと指摘する。

マーケットフィールド・アセット・マネジメントの社長も務め るアーロンシュタイン氏は「市場関係者は現在、おびえきっている。 そのため、より広い視野で物事を見ていない」と指摘。「中国やイン ドなどの新興国は依然、多くの資金を保有している。これらの国々が 支配力を低下させたり、国民を空腹にさせたりするとは想像できない。 基礎的な水準の消費が継続するとみられる一方、供給能力は縮小して いる。商品相場は必ず上昇する」との見通しを示した。

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